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大学・研究所にある論文を検索できる 「乳児院・児童養護施設における食物アレルギーの給食対応に関する課題 : ガイドラインの有無別にみた栄養士・管理栄養士の意見から」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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乳児院・児童養護施設における食物アレルギーの給食対応に関する課題 : ガイドラインの有無別にみた栄養士・管理栄養士の意見から

森 久栄 黒田 研二 70144491 関西大学

2020.03.19

概要

乳児院・児童養護施設を対象におこなった食物アレルギーの給食対応に関する調査の自由記述欄の内容を分析し、食物アレルギーの給食対応に関して両施設にみられる課題およびガイドラインの有無別にみられる特徴を検討することを目的とした。

自記式質問紙調査の自由記述欄に記入があり、ガイドラインによる取り組みに回答のあった施設のうち栄養士・管理栄養士が回答した乳児院30施設と児童養護施設71施設を分析対象とした。

社会的養護に特徴的な課題として《施設体制》の【入所時のアレルギー情報把握】の欠如による〈緊急入所・情報不足による食事提供への不安〉、【小規模化における課題】が示された。ガイドラインの有無別にみると、乳児院での〈初発のリスクへの不安〉、児童養護施設での〈事故対応に対する不安〉〈重症児対応に対する不安〉といった不安感はガイドラインがない施設に見出された。ガイドラインがある乳児院の栄養士は《給食業務》の〈献立例〉の心配は少なく、《施設内連携》の〈情報共有・共通理解の重要性〉や〈職員間の認識差〉を課題ととらえていた。また、ガイドラインがある児童養護施設の栄養士は《食事場面》での【食事指導】や【児童の心理面への配慮】などの課題は少なく、施設外の情報交換を求めていた。

以上のことから、ガイドラインがない施設の栄養士は、献立や食事指導の仕方などの児童に対しての直接的な支援が課題であると認識していたが、ガイドラインがある場合は、施設内連携・施設外連携などの児童を取り巻く職員間・部署間の情報共有や、他施設との関係を課題ととらえていることが推察された。

参考文献

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海老澤元宏・伊藤浩明・藤澤隆夫監修(2017d)食物アレルギー診療ガイドライン 2016.日本小児アレルギー学会・食物アレルギー委員会.協和企画.食物経口負荷試験.102-112.

クラウス・クリッペンドルフ:三上俊治・椎野信雄・橋本良明訳(2016)メッセージ分析の技法 「内容分析」への招待.2 概念的基礎.勁草書房:21.

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厚生労働省(2017b)アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針. http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000176343.pdf (参照日:2019 年 5 月5 日)

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