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大学・研究所にある論文を検索できる 「MONITORING OF SULFUR - CONTAING ADDITIVES IN COPPER ELECTRODEPOSITION BY ROTATING RING - DISK ELECTRODE AND COPPER ELECTRODEPOSITION FOR HYBRID BONDING」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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MONITORING OF SULFUR - CONTAING ADDITIVES IN COPPER ELECTRODEPOSITION BY ROTATING RING - DISK ELECTRODE AND COPPER ELECTRODEPOSITION FOR HYBRID BONDING

Tran, Van Nhat Anh 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23396

2021.05.24

概要

集積回路の銅配線において重要な銅めっきプロセスに関し、銅めっき速度を制御する添加剤の回転リング-ディスク電極(RRDE)によるモニタリングおよび三次元集積回路の層間接合のための銅めっきについての研究をまとめたものであり、6章からなっている。

第1章は序論で、集積回路形成に用いられるボトムアップ銅電析における添加剤の重要性と銅電析機構を述べるとともに銅電析過程で中間生成物として生じる Cu+イオンおよびその錯体(Cu(I))の重要性について述べている。RRDE を用いたサイクリックボルタンメトリーストリッピング法(CVS)を紹介し、この方法により Cu(I)をモニタリングする原理を説明している。また、添加剤の化学について述べており、Cl-イオンの役割と他の添加剤との相乗効果、電析抑制剤とCl-イオンおよびCu(I)との相互作用、電析促進剤であるイオウを含む化合物の作用機構について述べ、これら添加剤は電析中に分解することから、その効果をモニタリングすることの必要性について述べ、これまでの研究例を紹介している。これに加えて、集積回路の高密度化、高速化、エネルギー消費の低減を実現する三次元集積回路形成技術を紹介し、三次元集積回路形成の新しい手法である銅電析を用いるハイブリッド層間接合法にについて 紹介している。この方法での解決すべき問題点として、ダマシン配線の研磨(CMP)プロセスにおいて、銅配線に比べ酸化物層間絶縁膜が硬いため、銅配線の中央部がへこむ現象(ディシング)をあげている。これらの課題の解決策として、以下の章での本研究の取り組みについて紹介している。

第 2 章では、イオウを含む添加剤とハロゲンイオン(Cl-, Br-)との相互作用について調べ、 Cu(I)中間生成物のモニタリングを RRDE を用いて行った。その結果、イオウを含む添加剤のなかで、プロパン-1-3-ジスルホン酸(PDSA)が最も高い促進効果を示した。また、ハロゲンイオンの比較では、Br-がより高い促進効果を示した。シリコン孔の完全な銅電析充填が達成できる添加剤の組み合わせを見いだした。

第 3 章では、銅ディスク電極の溶解を伴う新しい RRDE モニタリング法を開発した。リング電流は添加剤ビス-(3-スルホプロピル)-二硫化物(SPS)濃度に比例した。モニタリング時のリング電流に及ぼす他の添加剤の影響を最小限にすることで、他の添加剤の量を評価した。シリコン孔充填電析を 96 時間行い、その結果、添加剤が劣化し、充填銅に欠陥生じるようになった電解液を RRDE によりモニタリングし、電解液に添加剤を適量再添加することにより、欠陥のない充填銅を得ることに成功した。これにより、開発したモニタリング法は,3 種の添加剤を含む電解液の長期使用における性能維持に適用可能であることを示した。

第 4 章では、電析銅の熱膨張率低減に効果のある添加剤(2M5S)の CVS 法によるモニタリング法を開発した。リング電流と 2M5S 濃度の関係から、電解液の劣化の程度を評価した。20時間電解後の 2M5S 量をモニタリングし、消耗量を添加することにより、電解液の再生に成功した。

第 5 章では、低温でのディシング効果を克服するため、熱膨張率の高い電析銅を得るための、電解液と電解条件の最適化を行った。電析銅の熱膨張率を著しく高める添加剤を見いだし、熱膨張率 25.2 × 10-6 ℃-1と従来の電析銅より 46%高い熱膨張率を持つ電析銅を得た。これを用いた電析により銅配線を形成することにより、ディシングによる欠陥生成を低減できる可能性が示された。

第 6 章は総括で、本論文で得られた成果を要約している。