香川県新川・春日川河口干潟において採集したゴマフダマ
概要
ゴマフダマParatectonatica tigrina(Röding,1798)は干潟の中・低潮帯から潮下帯の砂泥底に生息するタマガイ科の腹足類であり(山下,2012;鈴木ほか,2013),環境省レッドリスト2019(環境省,レッドリスト2019)では絶滅危惧I類に指定されている。かつて瀬戸内海全域において普通に見られた種であったが,現在は岡山県笠岡市,愛媛県西条市,広島県江田島,周防灘に限られている(山下,2012)。香川県における記録は,燧灘東部・備讃瀬戸西部海岸からの報告(畠山,1977)と高松市海岸からの報告(吉松・深尾,2018)があるもののいずれも死殻であった。著者は,香川県高松市東部を流れる新川・春日川河口干潟においてゴマフダマの生貝を確認したので報告する。