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大学・研究所にある論文を検索できる 「RGMa Signal in Macrophages Induces Neutrophil-Related Astrocytopathy in NMO」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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RGMa Signal in Macrophages Induces Neutrophil-Related Astrocytopathy in NMO

Iwamoto, Shosuke 大阪大学

2022.09.22

概要

[目的(Purpose)]
視神経脊髄炎(NM0) は重篤な視神経炎や脊髄炎が出現する難病であり、中枢神経内のアストロサイトに多く発現するAP4に対する自己抗体が関わる自己免疫疾患と考えられている。中枢組織内に漏出した抗AAP4抗体により惹起されるアストロサイト障害には、脊髄内に浸潤したマクロファージや好中球といった免疫細胞が関与している。索再生阻害因子のひとつであるRGNaは、免疫調節機能を持ち、種々の中枢神経疾患に関与することが明らかになってきているが、視神経脊髄炎病態における役割については不明なままであった。そこで本研究においては、NNOにおけるRGNaの機能解明を目的に、WM0モデルラットを用いた抗RGia抗体の薬効評価および薬効メカニズム解明を行った。

[方法ならびに成續 (He thods/Results)]
NM0モデルラットは、ミエリン塩基性番白により免疫化した性Lewラットに対し、高親和性抗AQP4モノクローナル抗体を腹腔内投与することで作製した。まず、本NNOモデルにおける運動機能を評価したところ、抗体投与の翌日から顕著な運動機能障害が抗体用量依存的に認められた。更に抗AP4抗体投与によって生じる脊髄病態を免疫染色により確認したところ、血管周囲性の抗AQP4抗体の漏出およびアストロサイトマーカーであるGFAP・AQP4の脱落が認められ、アストロサイト脱落部位周囲においては、抗体依存性細胞障害を引き起こす好中球が大量に浸潤していることが確認された。そこでRGMaおよびその受容体であるNeogeninの脊髄組織中発現分布を免疫組織染色により解析したところ、RGNaはアストロサイトおよび神経細胞に発現しており、Neogeninは神経細胞およびマクロファージに強く発現していることが明らかになった。更にヒトNMO患者離組織を用いた免疫組織染色の結果、RGNaは主にアストロサイトに、Neogeninは病変部位周囲に浸潤しているマクロファージに局在していることが明らかになった。次に本NNOモデルラットに抗RGNa抗体を投与したところ、運動機能障害およびアストロサイト障害の抑制作用が認められた。抗RGNa抗体による薬効メカニズムを解明すべく更に詳細な検討を行ったところ、抗RGNa抗体投与群においては、好中球の脊髄内浸潤および、好中球遊走ケモカインであるCXCL1/2の脊髄内遺伝子発現の抑制が認められた。更に、免疫組織染色により、CXCL2はアストロサイト障害部位に集積するマクロファージに主に発現していることが確認された。これらの結果から、脊髄内に浸潤したマクロファージがRGNlaシグナルを介して好中球遊走ケモカインの発現を制御している可能性が考えられたため、ラット腹腔より回収したマクロファージ細胞に対してリコンビナントRGNaタンパクを添加したところ、用量依存的なCXCL1/2の遺伝子発現増加が認められ、この発現増加は抗RGNa抗体により頭著に抑制されることが明らかになった。最後に本モデルを用いて痛に関する実験を行った。NHIO感者においては春髄障害に起因する慢性的な痛みが高頻度にみられ、一般に難治性であり臨床上の問題となっているが、NM0モデル動物を用いた疼痛研究はほとんど行われていないのが現状である。そこで、本NI0モデルを用いて、ラット足底部のフィラメント刺激に対する溶演関連行動の測定を行った。その結果、本NM0モデルラットにおいては抗AQP4体投与7日目から頭著な疼痛症状を呈し、少なくとも抗AQP4抗体投与21日後まで疼痛症状が持続していることが明らかになった。抗RGNa抗体の効果について検証すべく、抗AOP4抗体投与によりNH0病態を惹起した翌日から、抗RGNa抗体を週に1回の頻度で反復投与し、抗AOP4抗体投与21日目まで経時的な落痛評価を行った。その結果、抗RGNa抗体投与群では痛症状の遷延化が抑制されていることが明らかになった。また脊髄組織を用いて各種疼痛関連遺伝子の発現変動を解析したところ、M0モデルでは疼痛関連遺伝子の発現が増加しており、抗RGia抗体投与群ではその発現が抑制されていることが明らかになった。

[総括 (Conclusion)]
本研究成果から、NH0において春一組織内に浸潤したマクロファージはRGHlaのシグナルを受け取ることで好中球遊走ケモカインを過剰に産生して好中球を呼び寄せ、アストロサイト障害および脊髄炎症を増悪させている可能性が示唆された。また本NH0モデルラットは慢性的な落痛症状を し、神経障害性疼痛モデルとしても有用であることが明らかになった。更に抗RGNa抗体の投与によって脊髄炎症が抑制され、痛みの慢性化が抑制されたことからも、抗RGNa抗体がNHOに対する運動障害のみならず疼痛緩和にも有効である可能性が示唆され、既存の薬剤とは異なったメカニズムからの有効な治療法となることが期待される。