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大学・研究所にある論文を検索できる 「Hidden Hypocalcemia as a Risk Factor for Cardiovascular Events and All-Cause Mortality among Patients Undergoing Incident Hemodialysis」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Hidden Hypocalcemia as a Risk Factor for Cardiovascular Events and All-Cause Mortality among Patients Undergoing Incident Hemodialysis

山口, 慧 大阪大学

2020.04.30

概要

〔目的(Purpose)〕
 日常臨床における血消カルシウム濃度の評価には、血消アルブミン濃度により補正した補正カルシウム濃度(補正Ca)を用いている。血液透析導入患者において、補正Caが低い患者は予後が良好であると報告されている。しかしながら、補正Caは生理活性を持つイオン化カルシウム濃度(イオン化Ca)の異常を必ずしも正確に予測しない。特に血液透析導入患者のような血清アルブミン濃度が低い患者群では、補正式による過補正が起こりやすいとされる。また、血液透析導入患者・は慢性腎臓病の進行に伴いカルシウム濃度が低下しており、低カルシウム血症の患者が多いことが予想される。しかし、血液透析導入直前におけるイオン化Caで評価した真のカルシウム濃度異常の有病率は報告されておらず、またそれらと予後の関連も未だ不明である。これらを明らかにすべく本研究を行った。

〔方法ならびに成績(Methods/ResuIts)〕
 研究デザインは犁施設後ろ向きコホート研究。2008年から2016年に大阪大学医学部附属病院にて新規に血液透析を導入された患者のうち、初回透析の直前にイオン化Caを測定された患者を対象とした。イオン化Caおよび補正Caで定義される低カルシウム血症の患者の割合を調べた。また、対象患者をイオン化Caおよび補正Caを用いて、①apparent hypocalcemia群(イオン化Ca低値; <1.15mmol/Lかつ補正Ca低値; <8.4mg/dL)、②hidden hypocalcemia(隠れ低カルシウム血症>群(イオン化Ca低値だが、捕正Ca正常もしくは高値)、③normocalcemia群(イオン化Ca正常)の3群に分けた。主要アウトカムは、透析導入目的の入院を退院した後の総死亡または心血管病による再入院とした。カルシウム濃度異常とアウトカムとの関連をCox比例ハザードモデルで調べた。
 332人の対象患者のうち、75%が真の低カルシウム血症(イオン化Ca<1.15mmol/L)を呈していた。そのうちの61%は、補正Caが正常の隠れ低カルシウム血症であった。全患者の46%が隠れ低カルシウム血症を呈しており、次いで29%がapparent hypocalcemia、23%がnormocalcemia群であり、大半の患密(98%)がこの3群のいずれかに属していた。隠れ低カルシウム血症の患者は、apparent hypocalcemia群に比べ、高齢で、イオン化Ca、BMI、血清アルブミン濃度が低く、pHが高かった(p<0.05)。また、統計学的に有意ではないが、糖尿病、冠動脈疾患、心不全、脳梗塞の既往が多い傾向にあった(p<0.10)。
 中央値30ケ月の観察期間に、29%の症例がアウトカムを発症した。多変量Cox比例ハザードモデルにて、イオン化Caで定義される真の低カルシウム血症はアウトカム発症の有意なリスク因子であったが(ハザード比[HR]: 2.34、95%信頼区間[95% CI]: 1.03-5.34)、補正Caで定義される低カルシウム血症は有意なリスク因子ではなかった。隠れ低カルシウム血症は、normocalcemia群に比し、有意にアウトカム発症のリスクが高かった(HR: 2.56、95%CI; 1.11-5.94)。一方、apparent hypocalcemia群は有意なリスク因子ではなかった。隠れ低カルシウム血症の患者は、apparent hypocalcemia群に比し、活性型ビタミンD製剤の增蛩や炭酸カルシウム製剤の処方といった低カルシウム血症に対する治療介入を透析導入期に受けていなかった(オッズ比: 0.45、95%CI: 0,23—0.89)。其の低カルシウム血症の患者において、低カルシウム血症に対する治療介入はアウトカム発症に対して保護的であった(HR: 0.54、95%CI: 0.29-0.99)。

〔総括(Conclusion)〕
 隠れ低カルシウム血症は総死亡および心血笹病発症の強い予測因子であり、イオン化Caを測定することの重要性が示唆された。

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