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大学・研究所にある論文を検索できる 「BONE MARROW-DERIVED MONONUCLEAR CELL TRANSPLANTATION CAN REDUCE SYSTEMIC INFLAMMATION AND ENDOTHELIAL GLYCOCALYX DAMAGE IN SEPSIS」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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BONE MARROW-DERIVED MONONUCLEAR CELL TRANSPLANTATION CAN REDUCE SYSTEMIC INFLAMMATION AND ENDOTHELIAL GLYCOCALYX DAMAGE IN SEPSIS

松原, 庸博 大阪大学

2022.03.24

概要

〔目 的(Purpose)〕
敗血症は、感染に対する宿主の反応の異常によって引き起こされる生命を脅かす臓器障害と定義される複数の臓器障害と高い死亡率を伴う疾患であり、敗血症の予後改善は喫緊の課題である。最近、敗血症の病態において、血管内皮グリコカリックスが注目されている。血管内皮のグリコカリックス層の分解は、全身の炎症の進行や臓器の機能障害と相関していると報告されており、血管内皮グリコカリックス層を保護・修復することは、敗血症の予後を改善する治療戦略となりうる。骨髄由来単核球細胞(Bone Marrow Derived Mononuclear Cells; BMMNCs)は、骨髄由来の未分化細胞集団である。BMMNCsは宿主を保雄する抗炎症作用を持ち、虚血再灌流や重症熱中症などの全身性炎症による臓器障害を軽減することが示唆されており、さらにBMMNCsは内皮前駆細胞、間葉系幹細胞などの前駆細胞が含まれており、生体損傷に対する再生能力を有することが報告されている。我々は、BMMNCsの抗炎症作用と再生作用により、血管内皮グリコカリックス層を保雄することで、敗血症における全身の炎症反応とそれに続く臓器機能障害を軽減できるのではないかという仮説を立てた。本研究の目的は、敗血症モデルラットにおいて、BMMNCs移植による病態改善効果を評価し、またその作用メカニズムを解明することである。

〔方法ならびに成縝(Methods/Results)〕
実験にはspecific pathogen-freeのWistarラットのオス12週齢を使用した。敗血症モデルは全身麻酔下に盲腸結紮穿刺により作成した。BMMNCs溶液の作成は、ラットの大腿骨、脛骨より骨髄液を採取した後、密度勾配遠心法によって行った。BMMNCs溶液は盲腸結紮穿刺処Eの30分後に敗血症モデルー個体に対して5. 0X106個を尾静注投与した。コントロール群(敗血症あり、治療なし)く BMMNCs群(敗血症あり、治療あり)、Sham群(敗血症なし、治療なUの3群に分けて検討した。
7日問生存率はコントロール群25% (4/16)、BMMNCs群75%(12/16)でBMMNCs群ではコントロール群に比べて有想に生存率が商かった(p=0. 005)。コントロール群における血清中の IL-1β. IL-6S TNF-α、Syndecan-1濃度は処B後から3、6、12時間後全てにおいて、Sham群よりも有意に髙かった。BMMNCs群におけるこれらのサイトカイン濃度は全ての測定時間でコントロール群よりも低い傾向があり、特に6時間後のIL-6と12時間後のTNF- α . 6時間後の Syndecan-Ι濃度は有意に低かった。組織学的検査において、コントロール群では処置後6時間後の肺組織で間質浮腫、肺胞構造の破綻、好中球浸潤などの著明な炎症所見を認めたが、BMMNCs群ではこれらが抑制されていた。コントロール群の処置後6時間後の肺組織において、肺の組織切片の蛍光免疫染色では血管内皮グリコカリックス賜の主要成分であるSyndecan-1の発現は、sham群と比較して著明に低下していたが、BMMNCs移植群では発現が保たれていた。さらに走査型電子顕微鏡で、BMMNCs移植群ではコントロール群と比較し、血管内皮グリコカリックスが保たれていることが確認された。

〔総 括(Conclusion)]
敗血症病態に対するBMMNCs移植は、過剰な炎症反応の抑制し、血管内皮保護作用を発揮し、臟器障害や生命予後を改善する可能性が示された。