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大学・研究所にある論文を検索できる 「Vegetable Preference and Prediction of Proteinuria: A Retrospective Cohort Study」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Vegetable Preference and Prediction of Proteinuria: A Retrospective Cohort Study

尾崎, 晋吾 大阪大学

2022.03.24

概要

〔目 的(Purpose)〕 CKDは世界規模の健康問題となっており、修正可能な生活スタイルとCKDの関連について多数報告されている。中でも野菜摂取はGFRの低下や尿蛋白の増加に対して抑制的に働くことが示されており、野菜摂取量と疾患発症の関係が多数報告されてきた。しかし、野菜摂取量の測定は煩雑であるため、野菜摂取を量以外で容易に定量化することができれば日常診療での高リスク患者の同定に有用である。野菜摂取量と関連する要因の一っである野菜の好き嫌いは、野菜摂取量の予測因子であることが報告されており、野菜の好き嫌いで疾患の発症を予測できるのではないかと推察した。そこで、本研究では「野菜は好きですか」という簡単な質問によって、蛋白尿発症の髙リスク患者を同定することができるかについて検討した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
2005年1月〜2013年3月に本学保健センターの職員健診を受診した被験者のデータを用いて後方視的コホート研究を行った。対象は60歳以下でeGFR≧60ml/min/1.73m2の職員とし、ベースラインで蛋白尿 ≧1+,腎臓病治療中の者は除外し、最終的には10,819人(男性5184人、女性5635人)を解析対象とした。アウトカムは尿検査で尿蛋白定性≧1+とし、「野菜は好きですか」に対する答え「好き」「普通」「嫌い」の3群とアウトカムとの関係を男女別に調べた。ベースラインの3群間の比較には、χ2検定、Kruskal-Wallis検定、ANOVAを用いた。Cox比例ハザードモデルを用いてベースラインの野菜の好き嫌いと蛋白尿発症との関係を解析し、ベースラインの年齢、喫煙歴、BMI、収縮期血圧、総コレステロール、中性脂肪、ヘモグロビンAle、eGFR、治療中の高血圧症の有無、治療中の脂質異常症の有無、心血管疾患の既往歴の有無で調整した。

初回健診時の年齢は男性中央値34歳[四分位29-42]、女性31歳[26-38]で、BMIは男性22. 8 kg/m2[21. 0-25. 0].女性20. 2 kg/m2 [18.7-21.9]、eGFRは 男性 87 ml/min/1. 73m2 [79-96]、女性 93 ml/min/1. 73m2 [83-104]であった。

中央値5.0年[2.1-8. 7]の観察期間中に男性676例と女性792例の蛋白尿発症例が観察された。多変量Cox比例ハザードモデルによって、「嫌い」は蛋白尿発症の予測因子として同定された(男性:vs.「好き」;「普通」 hazard ratio 1.05 [0.90,- 1.23] P = 0.498、「嫌い」1.59 [1.01-2.50] P=0.044、女性:vs.「好き」;「普通」hazard ratio 1.20 [1.04-1.40] P = 0.015、「嫌い」1.95 [1.26-3.02] P= 0. 003)。

〔総 括(Conclusion)〕蛋白尿の高リスク群を「野菜は好きですか?」という簡単な質問で同定することができた。