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大学・研究所にある論文を検索できる 「Can plain chest X-ray replace computed tomography for the follow-up of children who have undergone the Nuss procedure?」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Can plain chest X-ray replace computed tomography for the follow-up of children who have undergone the Nuss procedure?

松浦, 玲 大阪大学

2021.11.30

概要

〔目 的(Purpose))
漏斗胸に対する外科的治療としては, 従来からの方法として肋軟骨を切除, 胸骨を切離し, 胸骨を挙上するRavitch法が知られている. しかし整容性や侵襲の視点から、近年では、胸腔鏡補助下に前胸壁後面に弯曲したバーを留置し, 後面より前胸壁を持ち上げるNuss法が主流となっている, バーは2~3年留置し, その後抜去される. 外科的治療を行う際, 術前の陥凹の程度はComputed tomography(CT)から笕出されるHaller index(HI)等で評価されることが多い. 一方, 特に小児例においては被爆軽減のため, 術後の経過観察においてCTが用いられることが少ない. そのため, 胸部レントゲン検査(CXR)をもとに新指標を設定した。この指標が、術後長期の経過観察において, 被爆量の多いCTに代わる客観的な評価方法となりうるかを検討した.

〔方 法(Methods)〕
2000年~2016年の間に大阪大学医学部附属病院小児外科において漏斗胸の初回手術としてNuss法を施行し, 検査画像が入手可能な症例を対象とした. 術前検査としてはCTとCXRを用い, Nuss法後, バー抜去後, 再手術時にはCXRで評価した. 陥凹の指標としてはCTにおいてHIを算出し, CXRにおいては新指標であるConcave rate(CR)とTracheal bifurcation angle(TBA)を作成した. HIは最陥凹部での水平断における胸郭前後径と横径の比である. CRはCXRの側面像における前胸壁陥凹の深さと胸郭前後径の比とし, TBAはCHの正面像で計測した気镫分岐角とした. 気管が前胸壁の陥凹により圧排されると仮定し, 術前ΤΒAと比べ術後TBAは低下すると考えられた. しかし, 小児におけるTBAの正常値の報告が少ないため非漏斗胸症例のCXRよりコントロール群を計測した. また成長によりΤΒAが変化する可能性も考慮し, 年齢別4群(10例/群, Group1: 4-6歳, Group2: 7-10歳, Group3: 11-13歳, Group4: 14-16歳)にわけてTBAの変化を調査した. 結果の数値は中央値[範囲]で示した.

〔成 績(Results)〕
対象となった症例は45例であり, 手術時年齢は9. 9[3. 8-17.3]歳であった. 再手術症例は4例であった, CTとCXKの指標の関連として, 術前CRはHIと有意に相関(p<0. 01)していたが, 術前ΤΒAとHIの間に有意な相関関係を認めなかった. CXR指標の変化として, 術後CR(0. 09[0. 01-0.18])は術前CR(0.16[0. 08-0. 37])と比べ有意に低下しており(p<0. 001), バー抜去後CR(0.07[0-0.23])も低下したままであった. 術後TBA(65.0。[45-92])も同様に術前TBA(74. 2°[55-104])と比較し有意に減少した(p<0. 001). コントロール群のTBA(61. 2°[53. 7-73])と比較すると, 漏斗胸症例の術前ΤΒA(74. 2°[55-104])は有意に大きいものの(ρ<0. 001). バー抜去後ΤΒΑ(68. 7°[48-85])とは有意な差を認めなかった(p=0. 28). また, コントロール群のΤΒΑを年齢別に4群で分けて検討したが, 各Group問に有意な差を認めなかった.
再手術例のうちバー抜去と同時に胸郭再形成術を行なった1例を除く3例を検討したところ, バー抜去から再手術までの期間は2-7年であった. 3例とも術前CRと比べ, 術後CR, バー抜去後CRは低下するものの再手術時にはCRの上昇を認めた.

〔総 括(Conclusion))
新しく設定したCRが陥凹の指標となり, またTBAが術前後における変化の指標となりうることが示された. またCRにより, 術後胸郭形態の変化を観察できるため, 再手術が必要となるような再陥凹を客観的に評価できる可能性が示唆された. 以上よりCXRでもCTと同様に胸郭変形の評価ができ, 術後の経過観察において低被爆検査であるCXRがCTの代替検査として有用と示唆された.

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