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大学・研究所にある論文を検索できる 「Exploration of Functional Plasmonic Compounds and Microstructures for Spectroscopic Infrared Transducers [an abstract of entire text]」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Exploration of Functional Plasmonic Compounds and Microstructures for Spectroscopic Infrared Transducers [an abstract of entire text]

NGO, THIEN DUC 北海道大学

2022.09.26

概要

フラットパネルディスプレイや、電子素子パッケージ、自動車塗装における材料の加熱プロセスの高度化により、波長制御型の赤外線源への需要が高まっている。また、高感度なガス検出や、光源を用いない省エネで簡便なセンシング法として、波長分解型の赤外線センシングへの期待が高まっている。これらを実現するためには、特定波長の赤外光を電気や熱などの他のエネルギーへと高効率に変換できる現象を利用する必要がある。それを可能とする物理現象の一つとして、光熱変換型の完全吸収現象があり、近年の成膜技術や微細加工技術の進歩により、ほぼ100%の光熱変換効率(完全吸収)と、狭帯域な波長選択性を持つ素子が実現している。本研究では、このような波長選択型の変換材料や素子を実現するために、不純物ドープされた酸化物半導体とニ元化合物を対象に、第一原理計算によるハイスループットな材料探索と電磁場計算によるデバイス構造とを関連付けた性能最適化に関する研究を行った。

本研究を進める上で、5種類の代表的なマイクロスケール共振構造を採用し、それらの完全吸収現象が狭帯域でかつ高い吸収が生じる様に、それぞれの素子構造に対して性能指数を定義した。そして、Maxwell電磁気学を基にマイクロ構造に対する電磁場ンミュレーションを行い、最適な構造を設計した。この構造設計に先立ち、これまで対象とされなかった材料を広範囲に探索するために、密度汎関数法をベースとしてフェルミレベル近傍の電子状態を正確に計算できる近似法を採用し、高精度な誘電率計算を行える計算手法を整備した。まず、結晶構造、低エネルギー帯域のエネルギーバンド構造、電荷密度や伝導度の精度が十分高いことを、既存の実験と比較し確認したうえで、ハイスループットな誘電率計算を行い、Au、Ag、Cu、AIなどの貨幣金属など、一般的な材料とも比較しながら、より高機能な材料を目指しながら材料を探索した。具体的には、最初に、不純物ドープされた酸化物半導体に対して方法論の有効性を確認し、その後、放射性元素を除く、実在する2元化合物2619通りに対して誘電率の計算を行い、性能指数の高い化合物を抽出した。そして、得られた候補材料の誘電率をマイクロ素子の電磁場計算に適用し、狭帯域共鳴を実現するマイクロ素子の構造パラーメータの最適化を行った。並行して評価装置の開発も行い、合成した材料や製作した熱光変換構造の性能を評価し、本研究で提案した方法論が有効であることを実験的にも確認した。このように、材料と素子構造の探索と最適化を連立して進めることで、予測していた材料が実際に有効であることを確認できた。さらに、これまで盲点となっていたCeBやNiAlなどの耐熱合金や耐熱セラミック材料を新たに発掘することもでき、実用レベルの高温動作が可能な、狭帯域な耐熱型赤外線エミッターの開発に大きく貢献した。

以上の様に、本学位論文は、密度汎関数法シミュレーションにより材料の赤外帯域の物性予測を第一原理的に高精度に行う方法論を提案し、それを用いた波長選択型の光熱変換現象における発現機構とその制御への理解を大いに促進するものである。この方法は材料科学研究における光学材料のスクリーニングや光学素子の機能制御にも有効であると考えられ、産業応用にも有用である。よって本研究は学位を授与するにふさわしいと判断した。

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