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大学・研究所にある論文を検索できる 「The lysosomal Ragulator complex plays an essential role in leukocyte trafficking by activating myosin II」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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The lysosomal Ragulator complex plays an essential role in leukocyte trafficking by activating myosin II

仲谷, 健史 大阪大学

2021.08.31

概要

〔目的(Purpose)〕
免疫細胞の遊走は、身体の免疫システムにおいて非常に重要な役割を担っている。近年、リソソームは単なる消化を担当するオルガネラではなく、細胞の移動にも関与しているということが報告されている。本研究の目的は、免疫細胞の遊走に、リソソームがどのように関わるかのメカニズムを明らかにすることである。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
まず、我々はコラーゲン内で移動している樹状細胞(DC)のリソソームの局在を観察した。樹状細胞は移動の際、突起を伸ばし、縦長に延びた形をとった後、ウロポッドと呼ばれる尾の部分を引っこめて、前進するが、その一連の動作の中で、もともと核周囲に存在するリソソームが、ウロボッドに移動する様子が観察された。リソソーム膜状に Ragulator complex(RC)という、mTORClの活性化に寄与する複合体が存在し、この複合体はLamtor2,3と4,5の複合体をLamtorlが包み、さらにリソソーム膜にアンカーする構造をしている。Lamtorlが細胞の動きに関与するという報告があるため、我々はLamtorlに注目した。免疫染色により、核周囲だけでなく、ウロボッドのリソソームともLamtorlが共局在していることが分かった。続いてLamtorlが樹状細胞の遊定に関わるかを明らかにするためにLamtorlを樹状細胞でノックアウト(KO)したマウス(KOマウス)を作成した。KOマウスの骨髄由來樹状細胞(KO-BMDC)はWTと比較して、 Transwellを用いた細胞遊走実験で、遊走が有意に低下していた。さらにコラーゲン内で動きを観察すると、KO-BMDCはウロボッドを引っ込めることが出来ず、前進出来ないことが明らかとなった。このウロボッドを引っ込める動作は、ミオシン軽鎖(MLC)がリン酸化することでミオシンⅡが活性化し、アクトミオシンの収縮が起こり発生することが報告されている。KO-BMDCではWTと比較し、MLCのリン酸化が低下していた。さらにそのメカニズムを明らかにするために、 Lamtorlと会合する蛋白を調べた。WT-BMDCとKO-BMDCをLandorl抗体で免疫沈降し、得られた検体でLC/MS解析を行い、MPRIPという蛋白に注目した。MPRIPは、MLCフォスファターゼ (MLCP)のサブユニットのMYPT1と結合し、MLCPの働きを促進することが報告されている。免疫染色によりMPRIPとLarotorlがウロポッドで共局在していることが分かった。さらに我々は、LamtorlがMPRIPと会合することで、MPRIPとMYPT1の会合を妨害するという仮説を立てた。CRISPR/Cas9システムを用いてLamtorlをKOしたTHP1 (KO-THP1)と、この細胞株にfull-lengthのLamtorlを再び発現させたTHPKFull-THPl)を作成した。KO-THP1はWT THP1と比較し、MPRIPtΜΥΡΤΙΟ会合が著しく増加し、Full-THPlでは町と同等の会合に戻った。MLCのリン酸化や遊走能はKO-THP1では有意に低下したが、Full-THP1ではWTと同等に回復した。 LamtorlがKOされるとRC自体が形成されないことから、RCがMPRIPの会合および細胞の遊走に重要である可能性を考慮した。RCが形成されないLamtorlの変異蛋白(LamtorlのC末端の17アミノ酸を除いた蛋白と、領域に変異を加えた蛋白)はMPRIPと会合せず、それらをKO-THP1に発現させた細胞の遊走はWTやFull-THP It比較し有意に低下していた。これらの結果から、RCがMPRIPの会合および細胞の遊走に重要であることが明らかとなった。
in vivoにおいても、KOマウスでは所属リンパ節で、migratory DCが低下し、T細胞のブライミングが低下し、接触性皮膚炎モデルでDNFBへの反応が著しく低下していた。さらにLamtorlをKOした好中球でも細胞の遊走が低下していた。

〔総括(Conclusion)〕
RUS MPRIPと会合し、ミオシンⅡの活性化を通じて白血球の遊走を制御している。