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大学・研究所にある論文を検索できる 「Pathological phenomena in the wild McKay correspondence」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Pathological phenomena in the wild McKay correspondence

山本, 貴大 大阪大学

2021.03.24

概要

標数0における商特異点は良い振る舞いをすることが知られている。例えば、標数0では商特異点は log terminal になることが知られている。特に3次元以下のゴレンシュタイン特異点はクレパント特異点解消と呼ばれる特別な特異点解消が存在することが知られている。しかし、正標数における商特異点は一般には log terminal ではなく、3次元以下のゴレンシュタイン特異点でもクレパント特異点解消を持たないようなものが存在することも知られている。
 正標数の商特異点がいつ log terminal になるかというのは重要な問題である。標数0における商特異点がいつ canonical や terminal になるかの判定については Reid―Shepherd-Barron―Tai 判定法が知られており、これを用いれば各元の作用の様子を調べることにより商特異点の singularity が判定できる。しかし、この判定法は正標数では機能しないことをすでに示していた。この論文の結果の一つとして標数3における3次元商特異点に対して log terminal になる特異点の必要十分条件を与えた。
 また商特異点にいつクレパント特異点解消が存在するかという問題は標数0でも高次元の場合には未解決な問題であり、正標数でも興味深い問題である。また標数0ではクレパント特異点解消が存在するときにはそのオイラー標数と群の共役類の個数が一致するという Batyrev の定理があり、これは McKay 対応の一種である。Batyrev の定理の等式は正標数では対称群がアフィン空間に標準的に作用している場合や巡回群の場合などで成り立つことが知られていたが、標数が3で3次元の場合において成り立たない例をすでに構成していた。この論文ではその結果を拡張して直接クレパント特異点解消を構成することにより、クレパント特異点解消を持つ商特異点の系列を2つ得た。またその1つについては Batyrev の定理の等式が成り立たないことを示した。。
 さらに安田氏によって証明された野性的 McKay 対応を使うことにより上述のオイラー標数に関する結果の別証明を与えることができた。野性的 McKay 対応は弦モチーフと呼ばれる商特異点の多くの情報をもつ不変量を群の情報から計算できるモチーフ積分を用いて計算できるというものである。その実現化の一つとして弦点数が存在する。野性的 McKay 対応を用いると弦点数は局所体のガロア拡大の重みつき数え上げを使って計算できることがわかる。対称群がアフィン空間に標準的に作用している場合を考えると野性 McKay 対応から整数論で使われる Serre-Bhargava の量公式の別証明が与えられる。よってこの局所体のガロア拡大の重みつき数え上げは別の形の量公式を計算しているとみなすことができる。弦点数はクレパント特異点解消が存在すればその有理点の個数と一致することが知られておりこの事実と Weil 予想を用いることによりオイラー標数を計算し前述の結果を再現することができた。
 野性 McKay 対応の計算においては v-関数と呼ばれる関数の計算が重要となる。これまで計算されてきた例では v-関数はすべて局所体の拡大に対して定まる ramification filtration から計算することができていた。しかし今回 ramification filtration のみからでは計算できない例を構成することができた。このことから v-関数の計算に ramification filtration より多くの情報がなければ計算できないことがわかった。

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