Juggled Interferometer for Gravitational Wave Detection

概要

学位報告４

別紙４
報告番号

※

甲

第

主

号

論

文

の

要

旨

論 文 題 目 Juggled Interferometer for Gravitational Wave Detection
(重力波検出のためのジャグリング干渉計の開発)
氏

名

WU Bin

論 文 内 容 の 要 旨
重力波の初検出は、人類が宇宙を探索するための新たな窓を開きました。宇宙の初期の
密度揺らぎから天体の公転運動まで、多くの宇宙現象は重力波によって情報を送信してい
ます。現在、地上のレーザー干渉計型重力波検出器は、地面振動雑音と鏡懸架の熱雑音に
より、約 10 Hz 以下の周波数では感度が制限されています。これらの 2 つのノイズを軽
減することが、地上での重力波検出の感度向上の鍵です。
ジャグリング干渉計は、試験質量（鏡）を繰り返し自由落下させる、新しい重力波検出
器です。鏡は自由落下している間、地面から完全に切り離され、地面振動雑音や鏡懸架の
熱雑音は完全に取り除かれます。
本論文では、ジャグリング干渉計の出力データの詳細な分析を行い、その特徴に基づい
たデータ読み出しと解析方法を開発しました。この方法では、干渉計のフリンジの制御を
することなく干渉計の鏡の変位信号を取得し、干渉フリンジに関係なく一定の信号雑音比
を得ることができます。ジャグリング干渉計の感度曲線を評価することにより、ジャグリ
ング干渉計で多くの科学的成果が得られます。これには、巨大なブラックホールの準固有
モードの検出、ブラックホール・中性子星連星からの重力波の観測によるブランス・ディ
ッケ理論のテスト、宇宙の原始的な密度揺らぎから発生する重力波の検出などが含まれま
す。これらの検出は、自由落下する鏡を使わなければ地球上では不可能です。これは、ジ
ャグリング干渉計と一般の地上干渉型重力波検出器との主な違いです。
「自由落下鏡」のコンセプトに基づき、ジャグリング干渉計のプロトタイプがゼロから
設計・構築されました。具体的には、鏡のリリースを実現するために使用されるリニアス
テージや、自動的な鏡のアライメントを実現できるミラーホルダー、透明性と低密度の要
件を満たすアクリル製の真空タンクなど、多くのデバイスが特別に設計されました。最終
的には、鏡の無重力状態を実現し、要求値まであと一桁と迫る安定性を達成しました。こ

学位関係

の装置におけるさまざまな困難が定量的に評価され、可能な解決策が議論され、将来
的に装置を安定に動作させるための基盤が築かれました。
この論文では、ジャグリング干渉計のコンセプトに基づき、その構造とデータの特
性を分析し、データの読み出しと処理の方法を提案しています。また、ジャグリング
干渉計の感度曲線を評価し、いくつかの有望な科学的成果について議論しています。
さらに、ジャグリング干渉計のプロトタイプが設計され、構築され、その特性が評価
されました。これにより、将来の研究に道を開くことができました。

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