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大学・研究所にある論文を検索できる 「小児聴覚評価における Narrow band chirp 音を用いた聴性定常反応の有用性」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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小児聴覚評価における Narrow band chirp 音を用いた聴性定常反応の有用性

千葉 寛之 山形大学

2021.09.30

概要

(はじめに)聴性定常反応(Auditory Steady-State Response:ASSR)は純音聴力検査(Pure Tone Audiometry:PTA)による聴力評価が困難な小児例に用いられ、刺激音に対して誘発された反応によって聴力閾値を推定することができる他覚的検査であるが、検査精度の向上および測定時間の短縮という 2 つの課題が存在していた。近年、この 2 つの課題を克服すべくNarrow band chirp 音(NB-chirp 音)という刺激音による ASSR(NB-chirp-ASSR)が注目を集めているが、小児例において NB-chirp-ASSR の反応閾値(NB-chirp-ASSR 閾値)がどの程度 PTA の閾値(PTA 閾値)を反映しているのかは不明であった。

(目的)本研究の目的は、小児例における NB-chirp-ASSR の検査精度および測定時間について明らかにすることである。

(方法)前方視的に NB-chirp-ASSR および PTA を測定した 30 例について、NB-chirp-ASSR閾値と PTA 閾値の相関関係、両者の閾値差(Difference Score:DS)および測定時間について検討した。また、従来の AM2 音刺激による ASSR の反応閾値(AM2-ASSR 閾値)と PTA閾値との DS および測定時間について後方視的に検討し、さらに、NB-chirp-ASSR 閾値と AM2-ASSR 閾値のそれぞれの PTA 閾値とのDS および測定時間について比較検討した。

(結果)NB-chirp-ASSR 閾値と PTA 閾値の相関係数は 500,1000,2000,4000Hz の順にそれぞれ 0.780,0.735,0.754,0.746 であり、正の相関関係を認めた。DS の平均値±標準偏差は 500,1000,2000,4000Hz の順にそれぞれ 8.7±11.3、8.8±9.6、0.7±7.1、-2.4±9.3dB であった。NB-chirp-ASSR 閾値と AM2-ASSR 閾値のそれぞれの DS を比較すると、2000Hz において有意に NB-chirp-ASSR 閾値が小さかった(p<0.05)。測定時間は NB-chirp-ASSR が平均 21分、AM2-ASSR が平均 60 分であり、有意に NB-chirp-ASSR の測定時間が短かくその差は約 40 分であった(p<0.001)。

(考察)本研究は、鎮静睡眠下における小児例において NB-chirp-ASSR 閾値と PTA 閾値の相関関係および DS を算出し検討した数少ない報告である。NB-chirp-ASSR 閾値と PTA 閾値の間には高い正の相関関係を認め、DS も小さく NB-chirp-ASSR 閾値から PTA 閾値を推測するうえでも検査精度は十分に高いと考えられた。また、測定時間も AM2-ASSR より約 40 分短縮可能であり実際の臨床における小児聴覚評価において NB-chirp-ASSR は有用性が高いことが示された。

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