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大学・研究所にある論文を検索できる 「Suppression of autophagy promotes fibroblast activation in p53-deficient colorectal cancer cells」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Suppression of autophagy promotes fibroblast activation in p53-deficient colorectal cancer cells

井上, 貴功 大阪大学

2021.12.31

概要

〔目的(Purpose)〕
近年、癌微小環境における癌細胞のオートファジーの意義に関する報告が散見され、治療標的となりうる可能性が注目されている。また、大腸癌においてP53機能欠損癌細胞が線維芽細胞の活性化や腫瘍増殖能の亢進を起こすことが報告されているが、癌微小環境内の線維芽細胞におけるオートファジーの役割はいまだ不明である。一方で、癌細胞-線維芽細胞間の相互作用においてエクソソームの重要性が明らかとなっている。本研究では、癌細胞由来エクソソームに注目し、P53機能欠損癌細胞による線維芽細胞のオートファジー抑制を介した活性化機構を明らかにすることを目的に検討を行った。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
shRNAを用いてp53機能欠損型大腸癌細胞株(HCT116sh p53)を作成し、癌細胞と共培養時の大腸線維芽細胞の活性化およびオートファジーについてP53野生型大腸癌細胞株(HCT116sh control)と比較検討した。HCT116sh p53と共培養した線維芽細胞では、HCT116sh controlとの共培養時や単独培養した線維芽細胞と比較して、癌関連線維芽細胞に特徴的な線維芽細胞活性化マーカー遺伝子発現の増加、およびオートファジーの抑制を認めた。オートファジー必須遺伝子 ATG7をsiRNAを用いて抑制することで線維芽細胞のオートファジーは抑制され、線維芽細胞活性化マーカー遺伝子発現および癌細胞増殖能の亢進を認めた。次にHCT116sh control、 HCT116sh p53それぞれから超遠心法にてエクソソー厶を回収し、それぞれのエクソソームを添加して線維芽細胞のオートファジーを評価したところ、HCT116sh p53由来エクソソームを添加した線維芽細胞ではΗΟΤ116sh control由来エクソソーム添加時や単独培養時の線維芽細胞と比較して オートファジーが抑制されていた。Ρ53機能欠損癌細胞との共培養時およびエクソソー厶添加時における線維芽細胞のオートファジー抑制に関連する因子を検索したところ、HCT116sh p53との共培養およびHCT116sh p53由来エクソソームが添加された線維芽細胞ではオートファジー関連蛋白であるATG2Bの抑制を認めた。線維芽細胞のATG2Bを抑制することで線維芽細胞のオートファジー抑制、活性化マーカーおよび癌細胞増殖能の亢進を認めた。HCT116sh p53由来エクソソーム内のmicroRNAに着目し、ATG2Bを抑制するmicroRNAを検索したところmiR-4534を検出した。miR-4534を強制発現した線維芽細胞ではATG2B発現抑制とともに、オートファジーは抑制され線維芽細胞活性化マーカ一遺伝子発現の亢進を認めた。

〔総括(Conclusion)〕
P53機能欠損大腸癌細胞は、エクソソームを介するオートファジーの抑制により線維芽細胞を活性化させる。