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大学・研究所にある論文を検索できる 「機械学習に基づく画像認識・動画認識・動画解釈に関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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機械学習に基づく画像認識・動画認識・動画解釈に関する研究

中島, 彩奈 ナカジマ, アヤナ 群馬大学

2021.09.30

概要

近年,人工知能(Artificial Intelligence: AI)を用いたシステムは様々な業界で使われて いる.AI は 1956 年に誕生し,二度のブームを経て現在第三次ブームとなっている.第一次ブームは 1950 年代後半から始まり,「推論」や「探索」と呼ばれる技術によりパズルゲームなど明確なルールが存在する問題に対して高い性能を発揮した.その後,1980 年代には知識をコンピュータに入力し推論を行うことにより,より高度な推論の可能性があるとされ第二次 AI ブームとなった.専門的な知識を蓄え,専門家のように振舞えることからエキスパートシステムと呼ばれ,医療や金融などの多くの分野で採用された.しか し,入力されていない常識的な知識は持たず,一つ一つ一般常識を入力しきることの難しさにより,それ以上には発展しなかった.これら二度のブームが過ぎ,2000 年頃の機械学習の登場により現在は第三次 AI ブームとなっている.機械学習とは AI が自ら学習する仕組みのことである.機械学習では特徴量の入力が必要であり,どのような特徴量を用いて判断を行うかが機械学習の精度に影響する.この特徴量の入力は人の入力によるものであったが,近年のディープラーニング(Deep Learning)の発展により,コンピュータが自動で特徴量を抽出できるようになった.これにより,第一次・第二次 AI ブームでは実現できなかった問題も実現可能となった.

本論文では,これまで AI の実用化が困難であった産業界における認識問題をテーマとして取り上げ,Deep Learning による解決を目指す.その方法として,視覚情報を基にした画像認識技術を適用する.これらの特徴の抽出には事前に大量のデータをコンピュータに学習させることが不可欠である.学習により大量のデータから特徴を抽出することで,その特徴をもとにした分類が可能となるが,その詳細は不透明であり,人にも分からない特徴量を導き出して学習していることが多い.また,大量のデータがあれば良いというわけではなく,データの質も認識精度に大きく関わることが明らかになり,データの質も重要視されるようになった.そのため,機械学習を用いた認識技術では,目的を明確にし,それを実現するためにどのようなデータが必要かを考えてデータを用意しなければならない.

本稿は以下の 3 つのテーマについて実践した内容を説明し,機械学習に基づく認識技術を適用するために,目的に応じた学習データの作成を行い,問題解決へのアプローチ方法とその精度について述べる.

(1) 外観検査の自動化
概要: 工業製品の外観検査の自動化を目標とし,検査性能の上昇と人の介入を最小限に抑える検査方法について検討した.筆記具部品の検査においては,不良品発生率の低さから十分な欠陥画像数を確保できないという問題を解決するため,欠陥と背景を合成して欠陥画像数を増大させることで,検出率・的中率が上昇する結果を得た.化粧品ボトルの検査では欠陥の大きさによって良品か不良品か決まるため,物体認識後にセグメンテーションアルゴリズムを併用し,欠陥の大きさによる判定の可能性を見出した.

(2) 害獣認識
概要: Deep Learning による物体認識では 100%の精度を保証することは難しく,より信頼性のあるシステム開発のため,物体認識と動体検出のアルゴリズムの組み合わせによる個体数管理のための害獣認識システムを提案した.物体認識と動体検出にはそれぞれ検出が困難なデータがあるが,二つの認識方法を相補的に組み合わせることでそれぞれのデメリットを補い合うことができ,人の負担軽減のための害獣認識手法の有用性を示した.

(3) エッジ AI プロセッサを用いた行動の分類
概要: 監視カメラ等から得られる動画に対し,行動認識技術を用いた解析により,人の行動の分類を行った.リアルタイムでの実行処理を行うシステム実現を目的と し,エッジ AI プロセッサ上で骨格情報の抽出を行い,機械学習モデルの実装に対する処理性能,消費電力などを比較した.また,エッジ AI プロセッサから得た骨格情報に対し,SOM を用いた分類を行い,基本行動の認識が可能であることを示した.

上記 3 つのテーマに示す通り,機械学習を用いた認識技術の適用とシステムの信頼性確保のため,各テーマの目的を明確にし,その問題解決の手法を推進した.また,各々のステップにて学会発表を,研究会発表や論文投稿を行い,学術的な成果を挙げることができた.

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