神奈川県川崎市の野菜栽培におけるアザミウマ類の被害と防除法に関する生産者へのアンケート調査
概要
神奈川県川崎市の野菜栽培におけるアザミウマ類による被害状況および防除上の問題点を把握するため,生産者を対象としたアンケート調査を行った。同地域の野菜栽培では主要な作物にアザミウマ類が発生しており,その被害は生産者にも広く認知されていることが分かった。また,作物ごとの発生状況から,特に問題となる種はネギアザミウマとミナミキイロアザミウマであると推察された。さらに,多くの生産者がネオニコチノイド系の殺虫剤に依存した防除を行っていることが明らかとなり,殺虫剤抵抗性の発達が懸念された。実際に,本研究以降の調査で川崎市内のキュウリに発生したミナミキイロアザミウマにおいてネオニコチノイド系殺虫剤に対する感受性の低下が確認された。これらの結果から,同地域では殺虫剤に代わる防除体系の構築を急ぐ必要があることが示唆された。
キーワード 殺虫剤感受性;川崎市;ネオニコチノイド系殺虫剤;アザミウマ類;都市農業