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空の色は何色?
家や学校、公園などどこにいても、不思議なことがいっぱい!
「なぜ?」「どうして?」が科学でわかると、いろいろなことを観察するのが楽しくなるよ。
今回は、「夕焼けが赤い理由」を考えてみよう!
みんなは、空の色が変わることに気づいているかな?夕焼けになると、お家に帰りたくなったりするよね。
でも、どうして空の色は変わるのかな?
それは、時間によって「太陽の光の色の見え方」がちがうからなんだ。
この後、説明していくよ。夕焼けを作る実験もするから、みんなもやってみてね!
光と色の関係を知ろう
(1)可視光(かしこう)は、にじの7色

まずは、太陽の光の見え方について考えていこう。
そのためには「そもそも光というのは何か?」を知る必要があるんだ。
光は、電磁波(でんじは)っていう波のひとつ。
電磁波は空気を伝わってくる“うねり ”のようなもので、海にあるような水の波のことじゃないよ。
そして私たちは、電磁波のすべてが見えているわけじゃない。
電磁波の中の一部だけが見えているんだけど、その見える電磁波のことを「可視光」っていうよ。
可視光として見えているから、私たちは「光には色がある!」と思っているんだ。
そしてその色には、色それぞれ波に特ちょうがある。
例えば、青い光は、短い時間でたくさんふるえるんだ。
これを波長(はちょう)が「短い」波っていうよ。
波長っていうのは、波の山と山とのきょりのことで、そのきょりが短いからだね。

反対に、赤い光は、同じ時間で少ししかふるえないから、これを波長が「長い」波っていうよ。
このように、波長が短いか長いかで光の色をわけると、波長が短い→長いの順に
紫(むらさき)、藍(あい)、青、緑、黄、橙(だいだい)、赤の7色がならぶんだ。
これ、何の色か思いあたるかな?
そう、「にじ」だね。つまり、可視光はこのにじの7色だよ。
こうやって、波を波長ごとにわける考え方を「スペクトル」っていうんだ。
(2)白い光はバラバラになると7色になる

さっき、見える電磁波のことを「可視光」って説明したね。
つまり、太陽の光も見えているから「可視光」のひとつ。
では、どうしてその可視光は、時間によって見える色が変わるんだろう?
それは、太陽の白い光がバラバラになるからだよ。
そもそも白い光っていうのは、いろいろな色の光がまざった色なんだ。
そのしょうこに、白い光をプリズムっていう透明(とうめい)な三角のガラスに当てると、光が7色にわかれるよ。
これは、太陽の光が空気中の雨つぶに当たってバラバラにされ、7色のにじが現れるのと同じげんしょう!
こういう風に、光が小さいつぶなどに当たってバラバラにされることを「レイリー散乱(さんらん)」っていうよ。
空の色が青や赤に変わるのも、太陽の白い光が「レイリー散乱」でバラバラにされているからなんだ。
おもしろいね!
空の色は「太陽から地面までのきょりの長さ」で決まる!
(1)太陽から地面までのきょりが長いと、赤い夕焼けになる

では、太陽の白い光は、何に分解されているんだろう?
それは「空気」!
実さいの「太陽と地面とのきょり」と考えるとわかりやすいよ。
まず、朝早く太陽がのぼってきてすぐの時と、夕方もうすぐ太陽がしずむ時で考えてみよう。
どちらの場合も、太陽が地平線の近くにあるから、太陽と地面とのきょりが長いんだ。
私たちにとっては、真横から太陽の白い光がとどけられている感じだね。
↓
太陽の光は、私たちにとどくまでの間に、たくさんの空気のつぶや小さいゴミなどに当たるよ。
↓
太陽の白い光にはいろいろな色が入っているけれど、
青い光は、波長が短くてちらばりやすく、
赤い光は、波長が長くてちらばりにくいっていう特ちょうがある。
↓
ちらばりやすい青色は長いきょりだととどかないけれど、
ちらばりにくい赤色は長いきょりでもとどくんだ。
だから、朝焼けや夕焼けは赤く見えるんだね!
(2)太陽から地面までのきょりが短いと、青空になる

今度は、昼間の太陽の位置で考えてみよう。
この時、太陽は私たちの真上にあるから、太陽と地面とのきょりが短いんだ。
↓
太陽の光は、私たちにとどくまでの間に、少しの空気のつぶや小さいゴミなどに当たるよ。
↓
たくさんふるえる青色の光は、空気のつぶや小さいゴミに、たくさんぶつかっているよ。
赤い光もぶつかるけれど、青色の光にくらべてあまりふるえていないので、空気のつぶやゴミにはぶつかりにくいんだ。
だから、青色の光のほうが人には強く見えて、昼間の空は青く見えるんだね!
実験でたしかめてみよう!
でも本当に、空の色が変わるのは「太陽と地面のきょり」が理由なのかな?
これは、「太陽」「空気」を作る実験をすればたしかめられるよ。
では、さっそくやってみよう!
(1)用意するもの

■ペットボトル1〜4本
(300ml、500ml、2Lなど、どんな大きさでもOK。種類がバラバラでも大丈夫だよ。)
■水
(全部のペットボトルを満タンに満たせる量を用意。または、水道が使える場所ならOK。)
■白い液体(えきたい)ハンドソープ、または牛乳をごく少量
(ペットボトル1本につき1プッシュ、または1mlずつぐらい(小さじかティースプーンの半分の半分))たらせば十分だよ。
あわ立つから少し観察しにくいけれど、シャンプーやボディーソープでも大丈夫。)
■懐中(かいちゅう)電灯
(なるべく明るくライトがつくものを用意してね。)
■なるべく白色など色がうすいつくえ、もしくは板など
(この上で実験をするよ。)
じゅんびするものは、これだけ!
(2)実験スタート
①空気とチリをさいげん

まずは、空気とその中のチリやゴミをさいげんするよ。
500mlペットボトル1本の場合、満タンの水に対して1プッシュぐらいのハンドソープを入れよう。
水が空気で、ハンドソープがチリやゴミだと思ってね。

ペットボトルをふって、白くにごった水を作ろう。
大体にごっていればOKなので、とうめいに近くても、白くなりすぎていても、あまり気にしなくて大丈夫!
シャンプーやボディソープを入れた場合、ふるとあわが立つことも。
そのままでも良いけど、この後の実験で少し観察がしにくくなっちゃうんだ。
あわを追い出したい場合には、ペットボトルからあふれるくらいの水を追加で入れればOK。

これで「空気とその中のチリやゴミ」のさいげんが完成!
写真みたいに、水が満タンより少なくても大丈夫だよ。
②次は、太陽をさいげん
【ペットボトル1本ヴァージョン】
まずは、ペットボトル1本を横にたおそう。
それから、部屋を真っ暗にして、上から光をあてるよ。

ペットボトル全体やつくえにうつった光は、青白くなっているね。
次は、横から光をあててみよう。

そうすると、光から遠いキャップの方の光はオレンジ色っぽく、光から近い底の方の光は青白くなっているのがわかるね。
白いつくえにうつった光の色を見てもわかりやすい!
さらに、光を上から当てる⇔横から当てる、をくり返してやってくらべてみると、色のちがいがわかりやすいよ。
【ペットボトル4本ヴァージョン】
次は、ペットボトル4本を立ててならべて、横から光を当ててみよう。

光から近いペットボトルは青白く見えて、遠いペットボトルはオレンジ色っぽく見えるね。
となりのペットボトルの色とくらべると、ちがいがわかりやすい!
つまり、どの実験でも光から近いペットボトルは青白く光って、遠いペットボトルはオレンジ色っぽく光っていたね。
ここで、ライトは「太陽」、白くにごった水は「空気やチリ」をさいげんしていたから、
「太陽と地面とのきょりが長いときに、空は赤く見える」
というげんしょうが実験でたしかめられたということ!
空を見上げて考えよう

いつもなにげなく見ている空の色にも、赤色をしている理由、青色をしている理由があったね。
これから空を見上げる時には、ぜひ光の波長、光の散乱などの話を思い出してみて。
光の話だけじゃなく、生活の中のなにげないことを調べてみると、そこには科学がかくれているはずだよ。
「なぜ?」と思ったら、ドンドン考えるようになると、それは科学博士(はかせ)がやっていることと同じことだよ!
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