Quantitative volumetry of ground-glass nodules on high-spatial-resolution CT with 0.25-mm section thickness and 1024 matrix: Phantom and clinical studies
概要
〔目的(Purpose)]
肺の限局性すりガラス影(GCH)は、異型腺腫様過形成(AAH)や上皮内腺癌(AIS)の可能性があり臨床的に重要である。GGNのマネージメントにおいて、体積倍加時間は重要な要紫の一つである。GGNは周囲組織とコントラストが小さいためソフトウェアによる体積測定の誤差は、充実結節に比べ有意に大きいと報告されている。2017年に超高精細CT Aquilion Precision(キャノンメディカルシステムズ、大田原市)が臨床現場で使用できるようになった。このCTは、従来のCTに比べより細かい構造の描出を目的として開発され、高い空間分解能の画像を撮影できる。過去に超高精細CTでの肺結節の体積測定について検討した報告はない。今回の研究の目的は、超高精細CTで撮影したファントム画像と臨床画像の限局性すりガラス(GCN)を、高精細設定と従来設定で成し、測定体積の違いを検討することである。
〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
ファントム実験では、GGNを模した~800と-630HUの球体をファントムに取り付け、位置を変え28回CTで撮影した。臨床実験では、2018年6-9月に胸部単純CTを撮影しGCNが確認された患者のCT画像を対象とし、45人の感者の60個の結節を対象とした。どちらの画像も高精細設定(マトリックス1024、スライス厚0.25mm)と従来設定(マトリックス512、スライス厚0.5mm)で有機成した。放射線科医2名が独立して半自動ソフトウェアを使用しGCNの体積を測定した。臨床実験ではCT値(平均、最小、最大値)も計測した。ファントム結節は、ノギスで計測した直径から推定される体積とソフトで測定した体積の絶対差から、絶対パーセント差(APE)を計算した。結果は、-630HUの結節では2つの設定で体積とAPEに有意差はなかったが、-800HUでは、体積に有意差がありAPEは高精細設定で有意に低かった。臨床画像では体積や平均CT値で有意差はでなかったが、CI値の最大値と最小値は出設定ではそれぞれ有意に増加・減少した。
〔総括(Conclusion)〕
-800HUの結節を使用したファントム実験では、高精細設定と従来設定でGCNの体積に有意差を認めた。高組設定はGCNのCI値の最大値と最小値の検出に影響を与えていて、GGN内の充実成分の検出能向上に役立つ可能性がある。