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書き出し

<学会抄録>第70回日本泌尿器科学会中部総会

京都大学

2021.06.30

概要

TITLE:

<学会抄録>第70回日本泌尿器科学
会中部総会

AUTHOR(S):

CITATION:

<学会抄録>第70回日本泌尿器科学会中部総会. 泌尿器科紀要 2021,
67(6): 249-292

ISSUE DATE:
2021-06-30

URL:
http://hdl.handle.net/2433/264503
RIGHT:
許諾条件により本文は2022-07-01に公開

泌尿紀要 67 : 249-292,2021年

249

学会抄録
第70回日本泌尿器科学会中部総会
(2020年11月12日(木)∼14日(土)
,於
一般演題
淡明型腎細胞癌において免疫チェックポイント阻害剤の要となる
BRAF の役割はあるのか? : 稲元輝生,小村和正,上 博史,内本泰
三,伊夫貴直和,能見勇人,東 治人(大阪医大) [背景と目的]
IO 療法で治療されるメラノーマを含むさまざまな悪性腫瘍で高い
BRAF 変異率が観察され,免疫抑制性微小環境における役割が明らか
になっている.淡明型腎細胞癌における BRAF の変異は稀であり,
本研究で野生型 BRAF が患者の生存に及ぼす影響を調査する.[方
法]複数のデータベースの臨床および実験データに基づいて,BRAF
の予後的価値を評価することを目的とした.TCGA などのリソース
を用い予後インデックスモデルを作成するために,カプランマイヤー
法とログランクテストを用いた.
[結果]1,813症例の淡明型腎細胞癌
を含む 7 つのコホートから, 3 つのミスセンスと 3 つのトランキング
( 2 つのフレームシフト挿入と 1 つのスプライスサイト)のみが観察
された.11の種々の悪性腫瘍を含んだ解析では,BRAF の発現は頭頸
部扁平上皮癌と ccRCC で有意に上昇していた.カプラン・マイヤー
プロッターで生存曲線をプロットすることにより,BRAF 遺伝子が突
然変異の負担とは無関係に,ccRCC 患者に好ましい予後因子に相関
することが判明した.
[結論]ccRCC における BRAF の存在は,突然
変異の負担が低い患者を含めても,全体的な生存率が高いことに関連
しており,メラノーマなどの IO 療法が用いられる癌腫と異なったア
プローチで IO 療法の効果を改善することが示唆された.
血清遊離型 PD-1 濃度による免疫チェックポイント阻害剤の治療効
果と有害事象の予測に向けた基礎検討 : 前川由佳,水谷晃輔,古家琢
也(岐阜大)
,加藤 卓(朝日大),川上恭司郎,藤田泰典,伊藤雅史
(東京都健康長寿医療セ) [目的]前立腺癌が疑われ,従来通りに医
師が口頭で説明した群.[目的]Nivolumab は腎癌を始め複数の癌の
治療に使用されているが,治療効果や有害事象を予測する方法は確立
さ れ て い な い.本 研 究 で は,Nivolumab ま た は Nivolumab +
Ipilimumab により治療された腎癌患者を対象として,治療前の血清
遊離型 PD-1 濃度を,治療薬である Nivolumab を捕捉抗体として用い
た ELISA により測定し,治療効果や有害事象との関連を検討した.
[方法]対象患者11例における投与前の血清遊離型 PD-1 の濃度を測
定した.Nivolumab を Ab-Match Universal kit(MBL 社)を用いて 96
穴プレートにコーティングし,Nivolumab により補足した PD-1 の濃
度を PD-1 Human ELISA kit(ThermoFisher Scientific 社)に含まれる
検出抗体を用いて測定した.[結果]11 例の血清遊離型 PD-1 濃度の
中央値は 40. 3(23. 4∼64. 3)pg/ml であった.治療開始から 6 カ月
の時点で PR の症例は11例中 4 例であり,血清遊離型 PD-1 濃度が低
い症例で治療反応性が良好な傾向が認められた.また,11例中 9 例に
irAE が起こり,そのうち irAE により投与中止となったのは 4 例で,
それらの血清遊離型 PD-1 濃度は比較的高い傾向が認められた.[結
語]Nivolumab を捕捉抗体として用いた ELISA により測定した血清
遊離型 PD-1 濃度が,Nivolumab や Nivolumab + Ipilimumab による治
療効果や有害事象の予測因子となる可能性が示唆された.
次世代シークエンサーによる結節性硬化症の遺伝子解析と腎病変の
相関 : 武東義成(南生協),佐々木ひとみ,白木良一(藤田医大),倉
橋浩樹(同総合医科学研究所分子遺伝学研究部門) [背景]結節性
硬化症(以下 TSC)は多系統臓器に形成異常と腫瘍発生を来たす疾
患で,TSC1 遺伝子または TSC2 遺伝子に異常を来たす常染色体優性
遺伝である.60∼80%が腎病変を有し,このうち50∼85%に血管筋脂
肪腫(以下 AML)を認める.[対象と方法]藤田医科大学でフォロー
している TSC 患者のうち遺伝検査を希望された30例を対象とした.
血液サンプルから抽出した DNA を用いて,次世代シークエンサーに
よる TSC1,TSC2 のターゲットリシーケンスを行い,それぞれの病
的バリアントを同定した.[結果]年齢中央値は28歳(11∼47歳),男
,腎嚢胞は14例(46.6%)
性は12例(40%)で,AML は24例(80%)
,TSC2 の 変 異 は 23 例
に 認 め た.TSC1 の 変 異 は 4 例(13. 3%)

石川県立音楽堂)

(76.7%), 3 例(10%)で変異を認めなかった.TSC2 では missense
が 6 例(26. 1%),nonsense が 5 例(21. 7%),frameshift が 8 例
(34.8%),in-frame deletion が 2 例(8.7%),splicing が 2 例(8.7%)
であった.エクソン領域の変異において Premature termination codon
(PTC)の 有 無 で 比 較 し た と こ ろ,腫 瘍 径(PTC(+) vs PTC
(−) : 3.80 cm vs 4.25 cm p=0.827)に差はなかったが,PTC を含む
変異の方が若年発症(18歳 vs 25.5歳 p=0.629),両側性(76.9% vs
62.5% P=0.631),多発性(76.9% vs 50% p=0.346)を示した.[結
語]TSC での AML において生殖細胞系列の遺伝変異に PTC を含む
場合は重症となる可能性がある.
日本人における,淡明腎細胞癌に対する ClearCode34 Molecular
subtypes の有用性 : 吉田 崇1,大江知里2,池田純一1,2,谷口久哲1,
大杉治之1,杉 素彦1,木下秀文1,松田公志1(1 関西医大,2 同病理
診断科) [背景]淡明腎細胞癌(ccRCC)において,ClearCode34
(ccA/ccB)はバリデーションされた予後予測分類として報告されて
いるが,アジア人でのその有用性は検証されていない.
[目的]日本
人の ccRCC 患者における,ClearCode34 と予後,病理学的所見,お
よび治療との関連性を検証した.[方法]2006∼2017年の間に,根治
的腎摘除術または腎部分切除を受けた ccRCC 患者 138 例について検
討した.nCounter およびクラスター分析を用いて分類した.生存解
析には,カプランマイヤー法やコックスハザード比例モデルを用い
た.[結果]138例中,ccA および ccB はそれぞれ,78例(56.5%)と
60 例(43. 5%)であった. 5 年非再発率および 5 年癌特異的生存率
は,ccB の 方 が ccA に 比 べ 有 意 に 低 かっ た(65. 3% vs 86. 2% ;
87.5% vs 96.0%,P<0.05,おのおの).さらに年齢と性別因子の調
整下において,ClearCode34 は非再発生存に対する有意な独立因子で
あった(P=0.003).病理所見との関連性は,ccB が腫瘍内壊死(P<
0. 001)や肉腫 / ラブドイド様変化(P = 0. 023)との有意な相関を認
め た.再 発 症 例 に お い て,ccA は systemic therapy に 比 べ metastasectomy が 有 効 で あっ た(P = 0. 015).一 方,ccB は 同 等 で あっ た
[結論]ClearCode34 は,日本人の ccRCC 患者におい
(P= 0. 141).
て,予後,病理所見,再発後の治療効果と明確な関連があることが示
唆された.
パゾパニブにより治療された進行性腎細胞癌患者における栄養指数
と予後の関連 : 浜口 守,橋本 士,藤田和利,西本光寿,坂野恵
理,齋藤允考,清水信貴,森 康範,南 高文,野澤昌弘,能勢和
宏,吉村一宏,植村天受(近畿大) [目的]がん患者の予後予測因
子として炎症反応,血清栄養指標が有用であると報告されている.パ
ゾパニブにより治療された腎細胞患者における予後予測因子として,
それらマーカーが有用であるかについて後ろ向きに検討を行うことと
した.
[方法]2014年 3 月から2020年 3 月までの期間において,当院
でパゾパニブにより治療された63例の進行性腎細胞癌患者を後ろ向き
に 抽 出 し,栄 養 指 数 で あ る modified Glasgow Prognostic Score
(mGPS),Prognostic Nutritional Index(PNI),CRP/Alb ratio(CAR)
と生存期間との関連性についてコックス比例ハザードモデルで検討を
行った.[結果]年齢中央値は 67 歳(40∼89 歳),IMDC リスク分類
において,intermediate risk 29例(43%),poor risk 17例(26%),評価
困難な症例は17例(26%)であった.First line 治療で使用された症例
は34例(52%).全生存期間の中央値は12カ月( 1 ∼100カ月),投与
期間中央値は 3 カ月(0.5∼72カ月),RECIST における評価で overall
response rate(ORR)は19例(30%)であった.コックス比例単変量
解析では,mGPS,PNI,CAR がそれぞれ有意であったのに対して,
[結語]栄
多変量解析では PNI のみが有意な予後予測因子とされた.
養指数は,パゾパニブにより治療される腎細胞癌患者の予後予測因子
となる可能性がある.
限局性腎癌における Geriatric nutritio-nal risk index(GNRI)の術
前予後予測因子としての有用性の検討 : 神尾絵里,吉田 崇,大杉治

250
之,杉

泌尿紀要

67巻

素彦,木下秀文,松田公志(関西医大),大江知里(同臨床

病理学) [目的]根治的手術を受けた腎癌症例において,高齢者の
栄養評価法として確立されている GNRI が,術前の予後予測因子と
して有用かどうか検討した.[方法]2006年から2017年までの間に,
関西医科大学附属病院で根治的腎摘除術または腎部分切除術を施行さ
れた非転移性腎癌545例を後ろ向きに検討した.GNRI と身体的因子
と の 相 関 を ス ピ ア マ ン 順 位 相 関 分 析 で 検 討 し た.予 後 予 測 能 は
concordance index(c-index)で評価した.生存解析にはカプランマイ
ヤー法やコックスハザード比例モデルを用いて解析した.
[結果]
GNRI は年齢,BMI,ASA と有意な相関を認めた(|r| = 0. 2∼0. 3,
.GNRI の cutoff 値 を,c-index の 最 大 値 で 2 群
す べ て P < 0. 001)
,GNRI≧106(n=269)
]に分けた. 5 年非再
[GNRI<106(n=276)
, 5 年癌特異的生存率(99% vs
発率(94. 7% vs 81. 5% ; P < 0. ...

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