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大学・研究所にある論文を検索できる 「LILRB2 controls inflammation induced by ANGPTL2 in synoviocytes」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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LILRB2 controls inflammation induced by ANGPTL2 in synoviocytes

西山 沙由理 広島大学

2021.03.23

概要

変形性顎関節症(TMJ-OA)は,下顎頭軟骨の変性・破壊を特徴とする退行性病変であり、進行すると開などの不正咬合を引き起こす難治性疾患である。TMJ-OAの初期段階では滑膜炎を伴うことが多く,発症および進行の原因の一つと考えられている。滑膜細胞はサイトカインなどの炎症誘発性メディエーターを関節腔内に放出し,最終的にMMPsといった基質分解酵素を過剰に誘導することで軟骨は破壊される。

アンジオポエチン様因子2(ANGPTL2)は,組織損傷の修復やリモデリングに関与しており,その機能応進は慢性炎症を引き起こし,様々な疾患の発症・増悪に関連することが明らかになっている。インテグリンa581はANGPTL2の受容体として知られており,炎症性疾患との関連も多く報告されている。我々も軟骨細胞においてインテグリンa561を介する炎症関連因子の発現誘導を確認している。一方,白血球免疫グロブリン様受容体B2(LILRB2)は2012年にANGPTL2の受容体であることが確認され、造血幹細胞の増殖や癌の発生,進行に関与していることが明らかとなった。しかしながら,ANGPTL2-LILRB2axisの滑膜の炎症への関与は不明である。本研究は、滑膜細胞におけるLILRB2を介したANGPTL2の炎症関連因子への影響を解明するとともに,近年OAとの関連が報告されているJAK/STATシグナルについても検討を加えた。
1 ヒト膝関節由来線維芽細胞様滑膜細胞(HFLS)におけるインテグリンq5,81および
LILRB2の発現を確認するため,定量PCRを行った。
2 HFLSにおいてANGPTL2が炎症関連因子の遺伝子発現を誘導するか否かを確認する
3 ため,上記受容体および炎症関連因子(IL-16,IL-6,TNF-a,COX-2,bFGE,MCSE,MMP-3)の遺伝子発現をリアルタイムPCRで定量した。また,MAPKs,NF-xBおよび
Aktシグナルについてウェスタンブロットを用いて検討した。
4 HFLS細胞を用い,ANGPTL2誘導性の炎症に対するLILRB2の関与を明らかにするため,LILRB2中和抗体を用い,ANGPTL2依存性の炎症関連因子の遺伝子発現への影響をリアルタイムPCRによって解析した。また,MAPKs,NF-kBおよびAktのリン酸化
をウェスタンブロット解析を用い検討した。
5 ANGPTL2誘導性の炎症によるJAKシグナル伝達経路への影響を確認するため,HFLS
にANGPTL2およびLILRB2中和抗体を添加し、JAKs(JAK1,JAK2,JAK3および
Tyk2)のリン酸化に及ぼす影響についてウェスタンブロット解析を用いて検討した。


これらの実験より,以下のことが明らかとなった。

1 HFLSにおいてインテグリンa5,81およびLIL.RB2の遺伝子発現が認められた。
2 ANGPTL2はインテグリンa5,81,LILRB2およびいずれの炎症関連因子の遺伝子発現
レベルを上昇させた。また、MAPKs,NF-xBおよびAktのリン酸化を元進した。
3 LILRB2中和抗体はANG:PTL2依存性の炎症関連因子の遺伝子発現と,MAPK,NF-xB
およびAktのリン酸化を抑制した。
4 ANGPTI2はJAK1,JAK2,JAK3およびTyk2のリン酸化を促進したが,LILRB2中和
抗体はJAK1,JAK2,Tyk2のリン酸化を抑制した。

以上の結果,滑膜細胞において,ANGPTL2はLILRB2を介してMAPKs,NF-xB,Akt,JAK1,JAK2およびTyk2のリン酸化を促進することにより、炎症を惹起する可能性が示唆された。

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