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大学・研究所にある論文を検索できる 「Potential of three-step pretargeting radioimmunotherapy using biotinylated bevacizumab and succinylated streptavidin in triple-negative breast cancer xenograft」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Potential of three-step pretargeting radioimmunotherapy using biotinylated bevacizumab and succinylated streptavidin in triple-negative breast cancer xenograft

Gu, Wen Chao コ, ブン チョウ 群馬大学

2021.09.30

概要

Pretargeting radioimmunotherapy (PRIT) is a promising approach that can reduce long-tim e retention of blood radioactivity and consequently reduce hematotoxicity. Among the PR IT strategies, the combination of biotin-conjugated mAb and radiolabeled streptavidin (StAv) is a simple and convenient method because of its ease of preparation. This study performed three-step (3-step) PRIT using the sequential injection of (1) biotinylated bevacizumab (Bt-BV), (2) avidin, and (3) radiolabeled StAv for the treatment of triple- negative breast cancer (TNBC).
Four biodistribution studies were performed using 111In in tumor-bearing mice to optimi ze each step of our PRIT methods. Further, a therapeutic study was performed with optim ized 3-step PRIT using 90Y-labeled StAv.
Based on the biodistribution studies, the protein dose of Bt-BV and avidin was optimize d to 100 μg and 10 molar equivalent of BV, respectively. Succinylation of StAv signifi cantly decreased the kidney accumulation level (with succinylation (6.96 ± 0.91) vs without succinylation (20.60 ± 1.47) at 1 h after injection, p < 0.0001) with litt le effect on the tumor accumulation level. In the therapeutic study, tumor growth was s ignificantly suppressed in treatment groups with optimized 3-step PRIT using 90Y-labele d succinylated StAv compared to that of the no-treatment group (p < 0.05).
The 3-step PRIT strategy of this study achieved fast blood clearance and low kidney upt ake with little effect on the tumor accumulation level, and a certain degree of therape utic effect was consequently observed. These results indicated that the pretargeting tr eatment of the current study may be effective for human TNBC treatment.


【背景】
 放射免疫療法(RIT)は有望ながん治療法と考えられるが、血液クリアランスが遅いため血液毒性が副作用となり治療の妨げとなる。一方、プレターゲティング法では最初にがんに集積する抗体を投与し、次にその抗体に対して結合する血液クリアランスの早い放射性核種(RI)標識化合物を投与する。従ってプレターゲティング法を利用した放射免疫療法(PRIT)は、血中のRI標識化合物の滞留を低減することで、血液毒性を減らすことができる。既に報告されているいくつかのPRITの中で、ビオチン結合抗体とRI標識ストレプトアビジンを利用した手法は、各薬剤の調製が容易なことから簡便であると考えられる。
 多くの固形がんにおいて血管内皮増殖因子(VEGF)が過剰発現していることから、抗VEGF抗体であるベバシズマブを用いたRITは有望であると考えられる。しかしながらベバシズマブは血液クリアランスが非常に遅いことが知られており、血中放射能による高い血液毒性が、ベバシズマブを用いたRITの大きな障壁となっている。

【目的】
 本研究では、①ビオチン化ベバシズマブ、②アビジン、③RI標識スクシニル化ストレプトアビジン、を順次投与する3段階よりなるPRITを確立することを目的とする。抗体として抗VEGF抗体ベバシズマブ、モデル動物としてVEGF陽性のトリプルネガティブ乳 がん細胞株移植マウスを選択し、3段階よりなるPRITの有用性について検討した。

【方法】
インジウム-111(111In)標識体を用いた体内分布実験
 トリプルネガティブ乳がん細胞であるMDA-MB-231を皮下に移植した担がんマウスを作製した。本研究においては111In標識体を用いた4つの体内分布実験を行った。Study1:移植した腫瘍に対してどのくらいの量の抗体が結合するかを検討する目的で、抗体量の異なる111In標識ベバシズマブ(111In- BV)を担がんマウスに投与し、腫瘍集積性の評価を行った。Study2:ストレプトアビジンをスクシニル化することにより、排泄経路であり放射線による副作用が懸念される腎臓の集積が低減するとの報告がある。そこでスクシニル化したストレプトアビジン(StAv)とスクシニル化していない StAvの体内分布を担がんマウスを用いて検討した。Study3:血中に滞留したビオチン化ベバシズマブ(Bt-BV)を除去するために、2段階目に投与するアビジンの最適量を検討する目的で、異なる量のアビジンを投与し、その後投与する111In-StAvの体内動態を検討した。Study4:上述3つの体内分布実験により最適化されたプロトコールを用いて、担がんマウスにおいて3段階プレターゲティング法を実施した際の111In-StAvの経時的な体内分布および腫瘍集積性を検討した。
90Y標識ストレプトアビジンを用いた治療実験
 上述した111In標識体を用いた体内分布実験により最適化したプロトコールを用いて、90Y標識StAvを用いた3段階PRIT治療実験を行った。未治療群をコントロールとして用いた。

【結果】
 Study1: 111In-BVの集積量は投与抗体量の増加に伴い減少し、両者の関係を解析した結果、本担がんモデルにおいては、100μgの抗体量で腫瘍内の標的分子が占有されることが分かった。Study2:スクシニル化ありとなしの111In-StAvの体内動態を比較したところ、スクシニル化を行うことで、腎集積が有意に減少した(p<0.05)。 従ってStAvをスクシニル化することで、腎臓における放射線障害を低減することができると考えられる。Study3:アビジンの投与量について検討したところ、アビジンの投与量を増やすことにより血中の放射能は有意に低減した(p<0.05)。一方でアビジン投与は他臓器への集積性には影響しなかった。Study4: Study1~3の体内分布実験の結果より、①100μ gのビオチン化ベバシズマブ、②10当量のアビジン、③スクシニル化111In-StAvを投与するというプロトコールを選定し、担がんマウスの体内分布実験を行ったところ、血液からの速やかなクリアランス、腎臓への集積低減、腫瘍への高い集積性と滞留性を示した。最後に選定したプロトコールを用いて、スクシニル化90Y-StAvによる、担がんマウス治療実験を行ったところ、未治療マウスに比較して有意な腫瘍増殖抑制効果を示した(p<0.05)。

【結語】
 以上のように、アビジン-ビオチンシステムとスクシニル化したストレプトアビジンを用いた3段階PRITは、放射能の腫瘍集積性を大きく損なうことなく、早い血液クリアランスと低い腎集積性を達成することができた。また90Y標識体を用いた検討において、ある程度の治療効果を示すことができた。以上の結果は、本研究で確立したPRITの有用性を示すものであり、VEGF陽性腫瘍に対する治療の可能性を示すものである。

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