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Spectroscopy of Muonic Helium Hyperfine Structure at J-PARC

福村, 省三 名古屋大学

2023.12.14

概要

学位報告4

別紙4
報告番号





















論 文 題 目 Spectroscopy of Muonic Helium Hyperfine Structure at J-PARC
(J-PARC でのミューオニックヘリウム超微細構造の分光)



名 福村 省三

論 文 内 容 の 要 旨
CPT定理は現代物理学の前提となる仮定であり、これによって粒子と反粒子の対称
性が示唆される。したがって正負ミューオンの質量や異常磁気能率を比較することで
CPT定理を検証可能である。しかし現在、負ミューオンの質量𝑚𝜇− や磁気モーメン
ト𝜇𝜇− の決定精度は正ミューオンに1桁劣る。
ミューオニックヘリウム原子はヘリウム原子の2つの電子のうちの一つを負ミューオ
ンに置換したエキゾチック原子である。三体系でありながら、実験的には純レプトン
二体系のミューオニウムと同様の取り扱いが可能であり、高磁場の下で超微細構造
(Hyperfine Structure : HFS)を分光することで理論的な曖昧さなく𝑚𝜇− , 𝜇𝜇− を決定
可能である。我々は現在より高い精度でのCPT定理の検証のため、ミューオニック
ヘリウム原子の超微細構造精密分光によって𝑚𝜇− , 𝜇𝜇− を現在の100倍の𝑂(10) ppbで
決定することを目指して研究に取り組んでいる。
ミューオニックヘリウム原子のHFS精密分光のためには測定手法と解析手法の確
立、大強度ミューオンビームの利用に加え、ミューオニックヘリウム原子の生成に伴
って失われる負ミューオンのスピン偏極の回復手法の確立が必要となる。このうち大
強度ミューオンビームについては、茨城県東海村に所在する加速器施設J-PARCの物
質生命科学実験施設が提供する大強度ミューオンビームラインMUSE H-Lineを利用
する予定である。また解析手法についてはJ-PARCでミューオニウムの精密分光に取
り組んでいるMuSEUMコラボレーションが開発した手法を使用する。

本論文は残る2つの要件を検証し、確立するものである。第一に、マイクロ波による
状態遷移を利用した手法によってゼロ磁場でミューオニックヘリウム原子のHFSを
分光した。その結果世界最高精度でミューオニックヘリウム原子のHFSを決定し、
J-PARCでのHFS分光手法を確立した。第二に、J-PARCでレーザー装置を開発し、
レーザーを利用した手法による負ミューオンのスピン偏極の回復を実証した。
MC シミュレーションに基づき負ミューオンのスピン偏極の回復が HFS 分光に与え
る影響を評価した結果から、H-Line の利用と負ミューオンのスピン偏極の回復を組
み込んだ HFS 分光では 100 日間の測定により𝑚𝜇− , 𝜇𝜇− を 70 ppb の統計精度で決定
可能と推定される。すなわち本研究により、正負ミューオンの質量や磁気モーメント
の比較による CPT 定理の検証の精度は𝑂(10) ppb まで向上可能となった。

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