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大学・研究所にある論文を検索できる 「Ambush site adjustment of a pit viper based on the presence of prey and competition in association with season and habitat」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Ambush site adjustment of a pit viper based on the presence of prey and competition in association with season and habitat

Yang, Chun-Kai 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23563

2021.11.24

概要

一般に、待ち伏せ型の捕食者は餌が豊富で競争者が少ない待ち伏せ場所を選ぶと考えられる。しかしながら、餌の豊富さや競争者の存在は季節などの時間的な要因で変動するため、待ち伏せ型捕食者は十分なエネルギーを得るために、待ち伏せ場所を適切に調整する必要がある。本研究では、タイワンアオハブを対象として、待ち伏せ場所選択に関する調査を行った。

タイワンアオハブは主にカエル類を摂食する半樹上性の夜行性のヘビである。同所的に存在するカエルの活動性は種ごとに異なることから、適切な待ち伏せ場所を選択するために、タイワンアオハブは匂いの手掛かりによりカエルを種レベルで認識していることが予想される。そこで、第1章では、タイワンアオハブの野外食性を強制嘔吐法により調べるとともに、同じ科に属するカエルの種を匂いで識別できるかどうかを、舌出し検定法による室内実験により調べた。その結果、本種は同じ科に属するカエルを匂いにより種レベルで区別していることが示され、本種は適切な待ち伏せ場所を選択することができると考えられた。しかしながら、それぞれのカエルの種の匂いに対する選好性の度合いと野外食性に含まれる割合は必ずしも一致せず、実際に食べることのできる餌 は、カエルの活動時期や防御メカニズムの影響も受けていることが示唆された。

第2章では、タイワンアオハブはカエルの豊富さに合わせて時間的、空間的に待ち伏せ場所を調節しているかどうかを、成体と幼体の違いに特に注目して、野外観察により調査した。その結果、待ち伏せに現れる個体数は成体と幼体ともに、一部の種のカエルの個体数とのみ相関した。また、実際に食べていたカエルの種構成は成体と幼体とで大きな違いはなく、両者ともに年間を通してカエル類が豊富である止水域を好んだ。しかしながら、幼体は一時的な水場で待ち伏せしていることも多かった。これらの結果は、タイワンアオハブは餌の豊富さに合わせて待ち伏せ場所を選択しているものの、幼体はより優位である成体を避けて待ち伏せ場所を選択している可能性が示唆された。

第3章では、成体と幼体との間で待ち伏せ場所を巡る競争があるかどうかを確認するため、待ち伏せ場所として利用している野外の止水域を実験区と対照区に分け、成体の除去実験を2シーズンにおいて行った。また、待ち伏せしている止水域の面積、待ち伏せ位置の水場からの距離ならびに水面からの高さを両者で比較した。除去実験の結果、成体の個体数の減少や幼体の個体数の増加は見られなかった。また、待ち伏せ位置の高さと水場からの距離に両者の間で違いはなかった。一方、同夜に成体と幼体が待ち伏せしていたのは、面積の大きい止水域のみで、それ以外では成体が出現しているときは幼体は観察されなかった。このことから、幼体は成体との競争を避けて、成体のいない水場か、大きな水場のみを待ち伏せ場所として選択していることが示唆された。

以上のことから、タイワンアオハブは成体、幼体ともに餌の豊富な場所を待ち伏せに選んでいるものの、幼体は成体との競争を避けつつ待ち伏せ場所調節を行っていることが推察された。

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