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大学・研究所にある論文を検索できる 「宇宙プラズマ中における電界センサー特性に関する計算機シミュレーション」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

宇宙プラズマ中における電界センサー特性に関する計算機シミュレーション

深澤, 伊吹 小嶋, 浩嗣 栗田, 怜 臼井, 英之 三宅, 洋平 草地, 恒史郎 京都大学

2023.03

概要

宇宙プラズマ中における電界センサー特性に関する
計箕機シミュレーション
Computer simulations on characteristics
of electric field sensors in space plasma
研究代表者:

深澤伊吹(京都大学大学院工学研究科)
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研究分担者:

小嶋浩嗣(京都大学・生存圏研究所・教授)
Kojima.hirotsugu.6m@kyoto-u.c.jp
担当:プラズマ波動の再現性評価
栗 田 怜 (京都大学・生存圏研究所・准教授)
kurita.satoshi.8x@kyoto-u.ac.j
p

担当:電界センサー特性の理論的評価
臼井英之(神戸大学大学院システム情報学研究科・教授)
h-usui@port.kobe-u.ac.j
p
担当:アルゴリズム評価
三宅洋平(神戸大学・計算科学教育センター・准教授)
y-miyake@eagle.kobe-u.ac.j
p

担当:電界センサーモデル評価

草地恒史郎(神戸大学・大学院システム情報学研究科・修士 1年
神戸大学・大学院システム情報学研究科・修士 1年
担当:パラメータ依存性評価

研究目的 (Research Objective):
将来の宇宙利用や開発に向けて、地球磁気圏環境の精確な計測および定量的な理解

EOTAILをはじめとする
は必要不可欠である。我が国ではこれまでに磁気圏探査衛星 G
様々な科学衛星によりプラズマ現象の観測が精力的に行われてきた。宇宙空間におけ
るプラズマ波の発生と伝播を理解するためには、その位相速度や波数ベクトルなどの
特性を明らかにすることが重要である。このような波動特性を探査機の観測によって
求める手法の一つに、干渉計計測がある。干渉計計測では、異なる空間間における観
測対象の波形の位相差が得られるだめ、観測点間の距離と位相差から位相速度を算出
することができる。単一の科学衛星による干渉計計測は、静電波のような比較的波長
の短いプラズマ波動に適応可能というメリットがある。しかし、観測点間の距離が電
界センサーの種類に依存するため、観測結果の解釈に不確実性が生じることが知られ
ている。また、電界センサーのみならず衛星本体の影響を受けて電界波面にひずみが
生じる可能性が示唆されている。観測結果から精確な位相速度を得るためには、宇宙

-17-

機本体を含む現実的なプラズマ環境モデルに基づく評価が重要である。
申請者達の研究グループでは、これまでにアンテナ特性解析にプラズマ運動論的効
果を取り入れるために、かねてより宇宙プラズマ現象の解析に用いられてきた三次元
電磁粒子計算機実験手法を応用してきた。この手法を更に発展させることにより、セ
ンサーや衛星本体の実際的なモデリングを用い、かつプラズマの種々のパラメータを
自由に変化させ、宇宙プラズマ中におけるセンサー特性を現実的な計算時間で定量的
に把握することを本研究の目的とする。本報告書では、特にインターフェロメトリ計
測における観測点間の距離の評価とその考察について記す。

計算手法 (Computational Aspects)
本研究では、神戸大学が中心になり開発が行われた宇宙飛翔体プラズマ環境解析用
コード (
E
M
S
E
S
)[Miyake et al., 2006] を用いた。 EMSESは Particle-in-Cell法による 3次
元電磁粒子シミュレーション手法を採用しており、内部境界としてセンサーのモデル
を実現している。





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Fig.1 本研究における 3 次元シミュレーションモデル. 中央に電界センサーモデルを配置し
てある .
i
g
.1に示す。本研究では 32X 32X 256 gridの 3次元
シミュレーションモデルを F

空間を取り、 lgrid当たり 512個の超粒子を使用している。境界条件は電磁場、粒子
の両方に対して周期境界をそれぞれ設定した。シミュレーション中央にセンサーエレ
メント 2本を△ r の間隙を持たせて配置した。 z軸並行方向に背景磁場を取り、シミ
ュレーション空間に初期条件として電子ビームを挿入し、背景磁場と並行方向にラン
グミュア波を励起させた。なお、本報告書のシミュレーションにおいては電子の初期
速度分布にバンプオンテイル不安定性を採用した。センサーのポテンシャルの波形の
時間差を用いてラングミュア波の位相差を算出し、この位相差とラングミュア波の位
相速度より、観測点間の距離を求めた。

-1
8-


.、冒'‘、

研究成果(Accomplishments

シミュレーションから得られた観測点間の距離の時間遷移を F
i
g
.
2 に示す。シミュ

e
t
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l
O
O
)ではラングミュア波が生成過程で
レーション開始時から一定の時間領域 (wp
あるため、省略してある。水平方向の点線は、センサーの中心間距離を示している。

F
i
g
.
2 より、観測点間の距離はおおよそセンサーの中心間距離と一致することが明ら
かになった。
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ー 7.5

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150

200

250

300

350

Wp
et

Fig.2 観測点間距離の時間遷移水平方向の点線は、センサーの中心間距離を示す縦軸
.
.
は grid 数を表す.
この結果を解釈するために、センサー周囲のラングミュア波の波面をプロットした。結果を

Fig.3 に示す。図の中央の灰色の直線は、センサーの位置を示している。 Fig.3 より、各要
素の等位相面はセンサーに対して z軸対称であることがわかる。そのため、センサーのポテ
ンシャルは、おおよそセンサー中心が位置する z平面のポテンシャルと等しくなる。これは、
観測点間距離がセンサー中心点に等しくなるという計算の結果と一致する。

45
40
N 35

30

=
5
1

25
10

20

25

X

Fig.3 センサー周囲のラングミュア波の波面.
-1
9-

加えて、 F
i
g
.
2 より観測点間の距離が時間とともに減少しているころがわかる。こ
の原因は解明できていないが、プラズマとセンサー素子の相互作用が原因の 1つでは
ないかと考えられる。具体的には、センサーのフローティングポテンシャルなどが要
因となっているために、時間とともに観測点間の距離が減少していると考察される。
この傾向を説明することは、観測結果を精確に解釈するうえで重要であり、さらなる
詳細なシミュレーションが必要である。
本研究では、単一宇宙機によるインターフェロメトリ技術を評価するために、 3 次元フル PIC
シミュレーションを実施した。 2 つのモノポール電界センサーを用いた単一の科学衛星による
インターフェロメトリ計測では、各センサーが対象波の位相をピックアップする距離間に不確
定性がある。本シミュレーションでは、電子ビームにより励起されたラングミュア波が存在する
場合の 2 つのモノポール電界センサーを扱った。シミュレーションの結果、ラングミュア波を
観測するための距離は、センサーの中心間距離とほぼ等しいことがわかった。また、各セン
サー素子周辺の等価面の特徴は、推定された距離から導かれる様子と一致した。我々は、
シミュレーションモデルの妥当性を検証するために、単純なセンサーモデルから干渉計技術
に関する研究を行った。本研究で使用した EMSES シミュレーションコードは、シミュレーショ
ン空間内の宇宙機本体を扱うことができる機能を有している。シミュレーションの次の目標は、
観測点間距離に対する、宇宙機本体の影響を明らかにすることである。さらに、実際の宇宙
船観測では、宇宙船が回転している場合や、波面がセンサーに対して必ずしも垂直でない
場合がある。このような現実的な状況についても検討する必要があると考える。また、電界セ
ンサーの長さが宇宙空間の静電気波の長さと同程度となる可能性があるため、センサー素
子の長さと観測対象波の波長の関係における観測点間距離の依存性を明らかにすることも
重要である。
参考文献( References) :

Miyake, Y., and H. Usui, Particle-in-cell modeling of spacecraft-plasma interaction effects on
double-probe electric field measurements, Radio Science, 51(12),
https://doi.org/10.1002/2016RS006095, 2016.
公表状況( Publications ):
(ポスター)
1. Ibuki Fukasawa, Yohei Miyake, Hideyuki Usui, Koshiro Kusachi, Satoshi Kurita,

Hirotsugu Kojima, "Simulation Study on Characteristics of Electric Field Sensors
Applied to the Interferometry Technique", 2022 URSI-Japan Radio Science Meeting
(URSI-JRSM 2022), Tokyo, September 2022
2. 深澤伊吹臼井英之,三宅洋平,草地恒史郎,栗田怜,小嶋浩嗣,
,
“Particle Simulations on
Characteristics of Electric Field Sensors Applied to the Interferometry Technique in

-2
0-

Space Plasmas”, 地 球 電 磁 気 ・ 地 球 惑 星 連 合 学 会
, 相 模 原 , 2022 年11月
(口頭)

3. ...

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