書き出し
若年成人がん患者との関わりの考察~治療中止という意志決定をした患者を経験して~
概要
上咽頭がんに対する化学放射線療法(ChemoRadioTherapy:以下CRT)の中止を意志決定した若年成人(Young Adult:以下YA世代)の患者の事例に関わり、何故治療中止に至ったのか、看護師の関わりは適切であったのか疑問が生じた。YA世代の患者にとって治療や入院の状態は経験したことのない苦痛が生じていること、YA世代は周囲の思いを察することができるが、自らの思いの核心をあえて言語化しないと言われている。本症例を振り返り、YA世代への関わりとして「聴こう」としすぎる対応は、患者にとって大きな負荷となってしまうため、YA世代は医療者が気にかけているという姿勢や、声かけ等の程よい距離での対応が効果的であると示唆された。