リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「トラフグ早熟形質の遺伝基盤とゲノム予測の可能性」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

トラフグ早熟形質の遺伝基盤とゲノム予測の可能性

吉川, 壮太 東京大学 DOI:10.15083/0002006883

2023.03.24

概要



査 の















吉川

壮太

本研究では、
「作出と喪失を繰り返しがちな既存の養殖系統」の遺伝的救済と
さらなる遺伝的改良を達成するため、トラフグ養殖産業界において「早熟」と
いう優良表現型をもつとされている系統に着目し、これと他の系統との血縁関
係や、早熟性の遺伝機構を明らかにすることにより、本系統に適した選抜育種
法を検討したものである。今後、本研究と同様のステップを踏むことにより、
他の多くの水産養殖種においても、優良系統の作出が効率的に進むと考えられ
る。
本研究ではまず、早熟とされている系統の早熟性が真に遺伝するか否かを後
代検定により明らかとし、さらに、その遺伝的早熟性が内分泌機構により裏打
ちされている可能性を生殖関連ホルモン濃度の長期経時的観察からしめしてい
る。
つぎに、解析対象を他の養殖用集団・系統へとひろげ、それらの核ゲノム情
報の一部をもちいた遺伝的構造解析により、本系統が他系統からの遺伝子流入
にさらされていること、その結果、本系統の特徴的な表現型である早熟性が失
われる可能性があることをしめしている。
つづいて、本系統における早熟性の遺伝基盤、すなわち、寄与する遺伝子座
のゲノム上の位置や各遺伝子座の表現型に対する効果量などを明らかとするた
め、早熟家系と非早熟家系の人工交配により解析用家系を作出して長期飼育し
た後、その表現型値とゲノムワイド多型座情報を取得し、量的形質解析をおこ
なっている。その結果、この早熟性が、効果の小さな多数の遺伝子に支配され
る多因子形質であることを明らかとしている。
さらに、上記の成果を総合することで早熟性の遺伝的改良には、マーカーア
シストセレクション法よりゲノミックセレクション法が適していると判断し、
まず大量の養殖用親魚候補を収集して、その表現型値とゲノムワイド多型座情

報を取得し、つぎにゲノム最良線形不偏予測法によって、各親魚候補のゲノム
育種価の予測をおこなっている。最終的には、交差検定などの解析により、早
熟性の遺伝的改良にはゲノミックセレクション法が有望であることをしめすこ
とに成功している。
今回もちいたストラテジーを他の養殖種に適用することで、
「作出と喪失を繰
り返しがちな既存の養殖系統」の遺伝的救済とさらなる遺伝的改良が可能とな
ることから、本研究の成果は今後の水産業に大きく貢献すると考えられる。
これらの研究成果は、学術上応用上寄与するところが少なくない。よって、
審査委員一同は本論文が博士(農学)の学位論文として価値あるものと認めた。

この論文で使われている画像

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る