リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Very-high-energy gamma-ray observations of blazars with the MAGIC telescopes and performance study of the next-generation atmospheric Cherenkov telescope CTA-LST」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Very-high-energy gamma-ray observations of blazars with the MAGIC telescopes and performance study of the next-generation atmospheric Cherenkov telescope CTA-LST

Nozaki, Seiya 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23702

2022.03.23

概要

巨大ブラックホールを中心に持つ活動銀河核から相対論的速度で噴き出すジェットは高エネルギーのガンマ線を放射していることが知られている。しかし、その放射機構や放射源である粒子の加速機構は解明されていない部分が多い。本論文では、このジェットの方向と視線方向が近い天体であるブレーザーに着目し、現行の望遠鏡を用いた超高エネルギーガンマ線観測によって上記の未解明問題に迫るとともに、将来の高感度観測に向けた次世代ガンマ線望遠鏡を開発し、性能評価を行った。

 まず、現行の大気チェレンコフガンマ線望遠鏡MAGICを用いて、ブレーザー天体B1420+326を観測し、超高エネルギーガンマ線(0.05-0.2 TeV)を初めて検出した。仮にガンマ線放射領域が広輝線領域(ブラックホールから約0.3光年以内にある電離ガス領域)の内側であるならば、低エネルギー光子によってガンマ線は吸収されるため、ガンマ線放射領域は広輝線領域の外側であることを明らかにした。さらに、電波からガンマ線までの多波長で観測されたエネルギースペクトルに放射機構モデルを適用し、加速された電子によるシンクロトロン放射とシンクロトロン光子を種光子とした逆コンプトン散乱に加えて、広輝線領域の外側に広がっているダストトーラスからの低エネルギー光子を種光子とした逆コンプトン散乱放射で再現できることを示し、ガンマ線放射領域はブラックホールから約1.3光年先に位置することを明らかにした。また、ガンマ線放射領域では磁場と加速電子のエネルギー密度が同程度であることが分かり、ブラックホール近傍のように磁場エネルギーが優勢ではなく、放射源粒子の運動エネルギーへ変換されていることを明らかにした。

 次に、次世代大気チヱレンコフガンマ線望遠鏡を開発し、装置較正と性能評価を行った。従来よりも一桁良い感度で全天観測する次世代計画であるCTAにおいて、20GeVから数十TeVのガンマ線を観測するのが23m口径の大口径望遠鏡LSTである。本論文で、LSTの焦点面カメラに用いる光電子増倍管からの出力波形をGHzでサンプリングする回路および波形信号の較正手法を開発した。次に、シミュレーションデータを用いて、仮定した天体位置とチヱレンコフ光画像との位置関係も用いた機械学習による空気シャワー事象の再構成手法を開発し、従来の解析法よりも粒子弁別精度が向上した結果、ガンマ線検出感度を従来の解析法に比べて約2倍向上させることに成功した。次に、開発した手法をガンマ線標準光源である、かに星雲のLST初号機による観測データに適用し、40GeV以上でのエネルギースペクトルを算出し、現行のMAGIC望遠鏡で得られているスペクトルと無矛盾であることを確認した。さらに低エネルギー帯域での性能を評価するため、ブレーザーBL Lacertaeのガンマ線フレアを観測し、20GeV以上でのエネルギースペクトルを算出することに初めて成功し、現行の大気チェレンコフ望遠鏡よりも低エネルギー閾値化を実現した。これらの観測結果をもとに算出した、LST初号機のガンマ線検出感度はシミュレーションから得られた感度と一致していることを示し、期待されている望遠鏡性能を実現させることに成功した。

関連論文

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る