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大学・研究所にある論文を検索できる 「A new adjustment method for ECR ion sources using machine learning」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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A new adjustment method for ECR ion sources using machine learning

Morita, Yasuyuki 大阪大学

2022.09.22

概要

近年、中性子やミューオンなどの二次生成粒子ビーム高強度化や短寿命放射性同位元素の大量製造・供給のために、より大強度の加速器の需要が大幅に増加している。イオン源による大強度イオンビームの生成は、大強度加速器の開発における重要な課題の一つである。また、エミッタンスを指標とするビームの質の向上もイオン源から加速器に入射するビーム強度を減らさずに輸送するための重要な課題の一つである。加速器へのビーム透過率を高めるためには、入射ビームの位相空間における粒子分布を加速器の受け入れ可能な位相空間分布であるアクセプタンスと整合させる必要がある。ビームの大強度化と加速器のアクセプタンス整合の鍵を握るのは、イオン源および入射ビームラインの運転パラメーターを最適化している。しかし、複数のパラメーターが相互に影響しあい、また物理的に解明しきれていない部分があるため非常に複雑で時間を要する調整が必要である。誰が調整しても迅速かつ再現性良く、常にイオン源の性能を最大限引き出せるような高度な制御手法の開発は加速器の産業利用や社会実装を支える非常に重要な開発要素である。

本論文では、イオン源とビーム輸送系の調整パラメーター最適化のために、機械学習技術を初めて応用し、複数のパラメーターを同時に処理しながら、効率的に調整する手法の開発を目指した。人の手と経験による従来の制御では、各パラメーターの限られた範囲内で1パラメーターまたは2パラメーターの調整がやっとであった。これは、全てのパラメーターの組み合わせの結果を確認するのに膨大な時間がかかることと、人間の脳の処理能力に限界があるためである。そこで機械学習手法の一つであるベイズ最適化を応用した新たな調整手法の開発を行った。ベイズ最適化を用いることで複数のパラメーターを同時に制御し、ローカルマキシマムに囚われないように効率的に最適化するためのアルゴリズムを構築し、シミュレーション計算によりベイズ最適化法適用の妥当性を検証した上でECRイオン源’NANOGAN’を使って実験及びその性能評価を行った。この実験では、①ガスバルブの開閉量、②RFパワー、③RF周波数、④中間電極の電圧の計4つのイオン源制御パラメーターを調整し、ビーム強度(I)とエミッタンス(ε)の両方を考慮することができる指標、輝度(=Iεx𝜀𝑦)を最大化させる調整を行った。その結果、従来手法では10時間ほど要する調整を約1.5時間で5.21×10−5πmmmradの輝度のビームを取り出すことに成功した。この結果は、多次元の広いパラメータ空間における極めて多数の組み合わせにもかかわらず、ビーム強度の増加とビームエミッタンスの減少を同時に行って最適解を短時間で見つけることができることを実証したものである。また、この調整手法を発展させることで再現性・信頼背の高い自動調整を行うことができるため、加速器の産業利用でやがんの放射線診断・治療などへの応用においても普及を促進する画期的な制御手法である。

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