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大学・研究所にある論文を検索できる 「Evaluation of leucine-rich alpha-2 glycoprotein as a biomarker of fetal infection」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Evaluation of leucine-rich alpha-2 glycoprotein as a biomarker of fetal infection

梶本, 恵津子 大阪大学

2021.03.24

概要

〔目的(Purpose)〕
 子宮内胎児感染のマーカーとしては現在、主にC reactive protein (CRP)が用いられているが、胎児肝臓の未熟性のため、成人と比較し有用な炎症マーカーとはなりえていない。新規炎症マーカーの同定が求められているため、本研究では肺結核や小児虫匪炎で炎症マーカーとして有用と報告されているLeucine rich al glycoprotein (LRG)の子宮内胎児感染の炎症マーカーとしての有用性を検証した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
 本研究では、子宮内胎児感染は組織学的絨毛膜羊膜炎(Chorioamnionitis; CAM)ならびに組織学的臍帯炎 (Funisitis)を有するものと定義した(CAM-f (+))。一方、母体感染は組織学的絨毛膜羊膜炎を有するが組織学的臍帯炎を認めないものとした(CAM-f㈠)。さらに、臨床的に絨毛膜羊膜炎を認めない症例をコントロール群 (control)として設定した。2012年6月から2017年6月までの問に当院で分娩した症例をリクルートし、多胎、22週未満の分娩、胎児致死性疾患を除外した。その中で上記3群の定義に該当し、かつ分娩時臍帯血保存のあった症例はCAM-f㈩群14症例、CAM-f (-)群31症例、control群50症例であった。これらの臍帯血血清中LRG濃度をELISA法で測定し、解析した。また、比較対象としてCRPを同一検体で測定し、比較、検討した。まずcontrol群において分娩週数、出生体重、産科合併症が臍帯血血清中LRGに影響しないことを確認した。CAM-f (+)群における臍帯血血清中LRG値( 中央値10. 37 [ 四分位範囲5. 21-13. 7] /tg/ml)は、CAM-f ㈠群(3. 6! [2. 71- 4. 65] ug/ml):/<0. 01)、control群(3,39 (2. 81-3. 93] /zg/ml)と比較し有意に上昇しており(K0. 01)> receiver operating characteristic曲線はCRPよりも感度、特異度ともに良好であった(area under the curve LRG: 0, 97. CRP:0, 80)。
 続いてLRGの産生部位について検討した。絨毛、脱落膜、絨毛膜、羊膜、臍帯の免疫染色では、control群と比較しCAM-f⑷群のLRGの発現の有意差を認めず、炎症局所でのLRG産生の増加を認めなかった。
 そこで、妊娠中期に分娩となり剖検を行った胎児の肝臓組織のLRG産生について、免疫染色を用いて解析した。子宮内胎児感染症例1例ならびに非感染症例1例の比較では前者でLRG発現を認めたが、非感染症例ではLRGの発現を認めなかった。
 次に、lipopolysaccharide(LPS)の子宮内投与にて作成した子宮内胎児感染モデルマウスを用いて肝組織におけるLRG上昇を検討した。子宮内胎児感染モデルマウスの胎仔各臓器(脳、肺、肝臓、脾臓、腎臓、胎盤、臍帯)の免疫染色を行なったところ肝臓の肝細胞でのみLRG発現が上昇しており、肝臓でのLRGのmRNA発現においてもPBSを投与したcontrol群と比較し有意な増加を認めた。胎児肝細胞株WRL68を用いた解析では、過去に子宮内胎児感染と関連が報告されているIL-6, IL-22. IL-10. TNF-aを用い刺激を加えたのちRT-PCR法でm-RNA発現を解析した。これらのサイトカイン刺激によりWRL68細胞では STAT3、NF-kBの経路を介して、LRG-mRNAの発現増加を認め、LRGの産生能力を有することが示された。さらにLRGでは!L-6とIL-1/3もしくはTNF-aの両方を添加することで、それぞれ単独よりも発現増加を認め、相乘効果も認められた。一方、CRP-mRNAはサイトカイン刺激による誘導を認めなかった。

〔総 括(Conclusion)〕
 臍帯血血清中LRGは子宮内胎児感染を反映できるマーカーとなりうる。また、子宮内胎児感染に伴い、炎症性サイトカインの刺激を受けた胎児肝細胞によるLRG産生が行われ、臍帯血血清中LRG値が上昇すると考えられた。

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