リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「CLINICAL IMPORTANCE OF A CYTOKINE NETWORK IN MAJOR BURNS」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

CLINICAL IMPORTANCE OF A CYTOKINE NETWORK IN MAJOR BURNS

松浦, 裕司 大阪大学

2020.04.30

概要

〔目的(Purpose)〕
重篤な熱傷の侵襲下において、サイトカインは相互に作用しながら、その病態形成に関与していることが想定されるが、サイトカインの経時的な変化や相互の関連性および臨床病態との関係については十分に検討されていない。本研究の目的は遨度の熱傷患者におけるサイトカインの相互関係および経時的変化と熱傷の病態との関連を明らかにすること、またサイトカイン測定の臨床的意義について検討することである。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
方法: 前向き観察研究で研究期問は2014年4月から2016年12月、対象は16歳以上、熱傷面積20%以上とした。来院時、2日目、3-5日目、約1週間、2週間、1力月の合計6ポイントで血液検査を行い、cytometric bead array kitを用いて炎症性サイトカインとしてIFN-α,  I FN-γ, IL-1β, IL-6, IL-8, IL-12/IL-23p40, IL-17A, TNF-α, MCP-1、抗炎症性サイトカインとしてIL-4, IL-10を測定した。主要評価項目として28日後の生存、重症度として来院時の熱傷面積、PBI(prognostic burn index)、検体採取時のSOFA(sequential organ failure assessment)scoreを算出した。サイトカインの相互関係は階層別クラスター解析およびcytoscapeを用いたネットワーク解析、コントロール群と熱傷患者群のサイトカイン値はDunnet test. SOFAスコアとサイトカインとの関係はSpearman順位相閧分析をそれぞれ用いて解析を行った。サイトカイン値と予後との関連は時間依存性cox比例ハザード解析及びROC曲線, AUCを渾出して評価を行った。データは、JMP Pro 12.0、R version 3.3.4を用いて解析を行った。

結果: 対象となった熱傷患者は38人で、来院時の年齢, 熱傷面積, SOFAスコア及び受傷から来院までの時問はそれぞれ中央値(四分位範囲)で56(36-78)歳, 35(30-59)%, 3(0-5), 10.5(15-17)時間であった。男女比(M/F)は26/12、受傷後28日以内の死亡は6人(15.8%)であった。上記患者において、測定したサイトカインについて階層別クラスター解析を行ったところ、IL-6, IL-8, IL-10, MCP-1によるクラスターの形成が来院時から1力月にかけて見られた。各サイトカインの経時的変化はIL-6とIL-8は3-5日目をピークに上昇しその後低下していった。IL-10の上昇は来院時がピークでその後徐々に低下した。クラスターを形成したサイトカインの値と検体採取日のSOFAスコアとは, 1週間と2週間の時点でのIL-10を除きすべての時点で有意な相関を示した(r=0.36〜0.66)。また来院時のIL-6, IL-8, IL-10, MCP-1の値は経過中の最大SOFAスコアと有意な相関関係を認めた(IL-6: r-0.50 p-0.002, IL-8: r=0.41 p=0.012, IL-10: r=0.40 p=0.014, MCP-1: r=0.35 p<034)。時間依存性コックス比例ハザードモデルでの検討では、来院時または2日目におけるサイトカインの上昇(最大値)が予後と関連しており、ハザード比(95%信頼区間)はIL-6: 1.94(1.31-2.87), IL-8: 2.23(1.36-3.66), IL-10: 1.93(1.43-2.62), MCP-1: 1.579(0.98-2.55)であった。次に予後予測能についての評価のためROC曲線を検討したところ、既存の予後指数であるΡΒΙにおいて、AUC=0.938、来院時IL-6はAUC=0.914であった。PBIにIL-6およびIL-10を組み合わせたROC曲線のAUC=0.989と上昇が認められた。

〔総括(Conclusion)〕
重度の熱傷患者において1力月にわたり経時的にサイトカイン値を測定した。IL-6, IL-8, IL-10, MCP-1が相互に関連性を持ちながら推移し、重症度及び予後に関与していることを示した。来院時のサイトカイン値の測定は多臟器障害の発生を予測する一つの手段となり、また、既存の予後予測指数(PBI)と組み合わせることで高精度に生命予後を予測できる可能性が示唆された。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る