書き出し
ロジウム触媒によるカルベン挿入反応におけるカルボキシラト配位子の立体効果
概要
令和4年度
京都大学化学研究所 スーパーコンピュータシステム 利用報告書
ロジウム触媒によるカルベン挿入反応における
カルボキシラト配位子の立体効果
Steric Effect of Carboxylate Ligands of the Rhodium-Catalyzed Carbene Insertion Reactions
京都大学 大学院工学研究科 物質エネルギー化学専攻 藤原 哲晶
研究成果概要
二つのロジウムイオンを四つのカルボキシラト配位子で架橋した錯体は,ロジウム-
ロジウム結合に対しエカトリアル位にカルボキシラト配位子が位置し,アキシアル位が
触媒反応点となる.配位子の構造によって反応点周りの立体が制御できれば,位置また
は立体選択的なカルベン挿入反応が実現できる.我々は,かさ高いカルボキシラト配位
子を用いて二核ロジウム錯体を合成し、かさ高さがカルベン挿入反応における反応性や選
択性に与える影響を調査した.モデル反応として,基質 1 を用いた分子内カルベン挿入
反応を Rh2(OPiv)4 を触媒として行ったところ,2 と 3 の混合物が合計収率 47%で得られ、
24 : 76 の化学選択性で 3 が優先した(スキーム 1)。 ...