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大学・研究所にある論文を検索できる 「中国における農産物流通の効率評価とその影響要因に関する研究―マクロデータによる一時接近―」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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中国における農産物流通の効率評価とその影響要因に関する研究―マクロデータによる一時接近―

周 小琛 東北大学

2022.02.28

概要

【目的】
近年の生産額の拡大や栽培品種の増加などにより、中国の多くの農産物の生産量はすでに世界一位にランクされている。全国の流通システムの重要な一部である農産物流通は、農業構造の最適調整、農業の効率化、農民の収入増加、就業機会の創出、輸出による外貨獲得の拡大などにおいて、大きな役割を果たしている。しかし、こうした局面の下で、生産・物流コストの急増、農産物価格の変動といった問題が深刻化し、卸売市場のインフラ整備、コールドチェーンの構築、信頼できる統計の整備・情報発信の徹底など、今後解決すべき課題が多く残されている。このような状況を踏まえ、本研究では、中国の農産物流通の効率の現状及びその効率に影響を及ぼす要因について分析し、流通効率の改善方法を考察する。

【方法】
本研究では、中国統計局が公表しているマクロデータを用いて、農産物流通の効率を推計するとともに、その影響要因を明らかにする。
(1)DEA-Mailmquist(wI)指数法を用いて、中国における農産物流通業の全要素生産性(IFP)を推計し、今日の中国農産物流通の効率評価を行う。
(2)次に、文献調査に基づき、影響要因について仮定を立て、固定効果モデルを用いて、当該要因の農産物流通の効率に与える影響を検証する。

【分析結果】
効率評価の結果:2013年から2019年までの中国全域の農産物流通業の総合効率は、上昇傾向にある。しかし、この7年間の平均総合効率は0.556であり、効率を改善する余地が大きいことが明らかになった。そのなかで、東部地域は最も効率的で安定した発展を遂げている。中西部地域の農産物流通のTFPの年平均値は0.42~0.49と、全国平均の水準より効率が低い。しかし、中西部地域のWI指数は1を上回っており、同地域の農産物流通効率が時間とともに改善・向上し、全要素生産性が上昇傾向にある。東北地方は流通効率の安定性が最も低く、全要素生産性もほとんど変化がなく、年平約1.1%の成長に止まっている。影響要因の検証結果:需要側と供給側の影響要因は、農産物流通の効率値との相関が有意ではない。また、質を考慮した人的資本の蓄積には農産物流通効率を促進させる作用があるが、単純な人的資本の量的増加は、流通コストの増加につながり、流通効率を低下させる。
さらに、鉄道・道路の距離やコールド倉庫などインフラの数量的増加は、必ずしも流通効率にプラスの影響を与えない。このほか、都市化率は農産物流通の効率改善に大きなプラス影響がある。

【結論】
本研究から、中国における農産物流通の効率改善には、農産物流通の重要性を広く深めること、管理体制を強化すること、流通技術の開発を支援すること、質の高い人材を育成すること、都市化を加速することが効果的であることが明らかになった。

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