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大学・研究所にある論文を検索できる 「Phenotypic recapitulation and correction of desmoglein-2-deficient cardiomyopathy using human-induced pluripotent stem cell-derived cardiomyocytes」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Phenotypic recapitulation and correction of desmoglein-2-deficient cardiomyopathy using human-induced pluripotent stem cell-derived cardiomyocytes

志波, 幹夫 大阪大学

2021.09.24

概要

〔目的(Purpose)〕
拡張型心筋症は様々な遺伝子変異により生じる多様な疾患である。デスモグレイン2 (DSG2)は心臟組織における接着斑(デスモゾーム)を構成する遺伝子のひとつであり、DSG2遺伝子変異は不整脈原性心筋症の原因として知られ、多くの症例がヘテロ接合型変異により発症する。若年発症重症心不全症例において新たに同定されたデスモグレイン2欠損心筋症に対し心筋病理解析、及び疾患iPS分化心筋細胞を用いた疾患の再現と病態解明を行った。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
今回我々は、特発性拡張型心筋症と診断され、難治性心室性不整脈及び両心室拡大を呈した症例に遺伝解析を行い、ホモ接合型DSG2ナンセンス変異(c. C355T, p. R119X)を同定した。左室補助人工心臓植込み手術時に得られた左室心筋検体を用いて免疫染色を行ったところ、心筋組織介在板におけるデスモグレイン2の発現は完全に欠損し、心筋細胞における空胞変性像やデスモコリン2、プラコフィリン、プラコグロビン、デスモプラキンの空胞周囲への異常沈着像を認めた。透過型電子顕微鏡を用いて微細構造を観察したところ、顕著な介在板の離開像を認めた。本症例の病態メカニズムを解明するため、末梢血単核球からiPS細胞を樹立し(Rll9X-iPSC)、CRISPR-Cas9ゲノム編集技術を用いて、相同組み換え修復(HDR)により片アレルのDSG2ナンセンス変異を正常に修復し、デスモグレイン2発現を回復させたアイソジェニックiPS細胞(HDR-iPSC)を作成した。これらのiPS細胞を心筋細胞(CM)に分化させ、微小電極アレイを用いた電位解析を行ったところ、R119X-iPSC-CMでは異常電位の出現を認めたのに対し、 HDR-iPSC-CMでは認めなかった。更に、自発性循環進行波剌激による三次元自己組織化リングを作成し、マイクロスケール圧縮強度測定装置を用いて解析したところ、RU9X-iPSC-CMでは顕荖な組織構造の脆弱性及び微弱な収縮力が観察され、これらのフェノタイプはいずれもHDR-iPSC-CMにおいて回復した。免疫染色、ウェスタンブロットにより解析したところ、R119X-iPSC-CMではHDR-iPSC-CMに比べてデスモコリン2の発現低下を認める一方で、それ以外のデスモゾーム関連タンパク質には明らかな差異を認めなかった。iPS分化心筋の組織形成過程を経時的に観察したところ、RU9X-iPSC-CMでは心筋組織構造形成が阻害され、心筋線維の菲薄化を認め、透過型電子顕微鏡観察により、介在板構造の離開所見が認められたのに対し、HDR-iPSC-Giではこれらの異常は認められなかった。遺伝子捕充による治療概念の実証のため、アデノ随伴ウイルスを用いて遺伝子を導入したところ、デスモグレイン2発現回復により、R119X-1PSC-CMより作成した三次元自己組織化リングの収縮力が回復した。

〔総 括(Conclusion)〕
デスモグレイン2欠損心筋症の同定、アイソジェニックiPS分化心筋を用いた病態解明、アデノ随伴ウイルスを用いた発現回復は、特発性拡張型心筋症と診断される症例における疾患層別化の重要性、及び今後の難治性心筋症に対する精密医療につながると考えられる。

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