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大学・研究所にある論文を検索できる 「Decreased YAP activity reduces proliferative ability in human induced pluripotent stem cell of duchenne muscular dystrophy derived cardiomyocytes」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Decreased YAP activity reduces proliferative ability in human induced pluripotent stem cell of duchenne muscular dystrophy derived cardiomyocytes

安武, 秀記 大阪大学

2021.09.24

概要

〔目的(Purpose)〕
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は骨格筋と心筋が障害されるX染色体連鎖疾患である。細胞骨格蛋白ジストロフィンの欠損に伴う酸化ストレスの亢進、ミトコンドリアの障害などが報告されているが詳細な病態メカニズムは不明である。一方でDMDの骨格筋において組織再生に関わるΥAΡ活性の異常が報告された。本研究ではDMD心筋症の病態メカニズムを調べるためDMD患者から樹立した疾患特異的iPS細胞(DMD-iPSC)を用いてDMD-1PS心筋のΥAΡ活性および細胞の増殖能、アクチン機能について調べた。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
本研究ではDMD遺伝子のExon48-54の欠失と診断されたDMD患者から樹立したDMD-iPSCを使用した。 isogenic controlを作成するため、CRISPR/Cas9を用いてDMD-iPSCのDMD遺伝子をout of frameからin frameに修正し、ジストロフィンの発現が回復したゲノム編集株(ED~iPS C)を作成した。健常人由来 iPSC(Con-iPSC). DMD-iPSCおよびED-iPSCから心筋細胞に分化誘導し、免疫染色にてΥAΡの局在を確認したところ、DMD-iPS心筋はCon-iPS心筋およびED-iPS心筋と比較し有意にΥAΡの核内移行は低下した。また細胞の増殖能およびKi67の発現を確認したところDMD-iPS心筋において有意に低下を認め、DMD-iPS心筋においてΥAΡ活性の低下と増殖能の低下が示唆された。次にこれらのiPS心筋のアクチンの評価を行った。DMD-iPS心筋ではストレスファイバーとしてのFアクチンの構造が崩壊しており、またFアクチンとGアクチンの蛍光強度比を確認すると、DMD-iPS心筋でIVGアクチン比は有意に低下を認め、 DMD-iPS心筋ではストレスフアイバーとしての機能が低下していることが示唆された。次にGPCRのリガンドであり、Rho-Rockを介してアクチン重合を促進する作用が知られているLysophosphatidic acid (LPA)の投与実験を行った。免疫染色にてΥAΡの局在を確認したところ、DMD-iPS心筋においてLPAによりΥAΡの核内移行は上昇を認め、さらに細胞の増殖能およびKi67の発現は増加した。このことからLPAはDMD-iPS心筋のΥAΡ活性を改善させることが示唆された。次にiPS心筋のアクチンダイナミクスをライブイメージングにより評価した。アクチンをLifeActにて標識し、アクチンのretrogradeflowの速度を定S評価した。その結果、DMD-iPS心筋においてCon-iPS心筋およびED-iPS心筋と比較しretrogradeflowの速度は有意に低下を認めた。さらfcLPAによるアクチンダイナミクスの変化をDMD-iPS心筋において LPA投与前とLPA投与後で計測した所、LPA投与後で有意にretrogradeflowの速度の増加を認めた。つまりLPAがDMD-iPS心筋においてアクチン重合を活性化させストレスファイバーの形成に関与することが示唆された。

〔総括(Conclusion)〕
DMD-iPS心筋においてΥAΡ活性の低下、細胞の増殖能の低下、アクチンの機能障害を認め、アクチンダイナミクスの介入によりΥAΡ活性および細胞の増殖能の改善を認めた。これらの結果よりDMD心筋症の病態にアクチンの機能障害に伴うΥAΡ活性が関与し、ΥAΡがDMD心筋症の治療ターゲットになる可能性が示された。

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