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大学・研究所にある論文を検索できる 「An Acoustic Indoor Localization System for Unmanned Robots with Temperature Compensation and Co-channel Interference Tolerance」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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An Acoustic Indoor Localization System for Unmanned Robots with Temperature Compensation and Co-channel Interference Tolerance

Tsay, Lok Wai Jacky 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k24246

2022.09.26

概要

近年、労働力不足を解決し、安定的な食料生産を達成するために、農業ロボットの社会実装が行われている。しかし、それらは主に屋外のフィールド用であり、施設内での作業を対象としたロボット技術の開発は人工衛星測位システム(Global Navigation Satellite System, GNSS)が使えないこともあり進んでいない。また、畝間に配置されたレールを利用する既存のロボットシステムは、大型かつ高価で、作業速度が遅いという問題がある。これに対し、新しい方式として無人地上車両(UGV)や無人航空機(UAV)からなる低コスト化が可能な自律分散型プラットフォーム技術が提案されている。この方式は小型のロボットを複数機同時に使用し、UAVが作物を監視してフィールドデータを収集し、UGVが施肥および収穫作業を実行できるといったネットワーク構築型ロボットシステムであるため、現在の問題を克服できる可能性が大きいと考えられている。

本研究は、GNSSを利用できない屋内環境下でUGVやUAVを制御するための測位システムとして、スペクトル拡散音波測位システム(SSSLPS)を採用し、特に温度補償と信号の同一チャネル干渉耐性を備えた測位システムの開発を目指したものである。

本論文は6章で構成され、第1章では研究背景として現状の問題点を整理するとともに、研究目的が述べられている。第2章ではSSSLPSの基本原理と研究に用いた各装置や計測機器の仕様について述べている。第3章では、温室内の温度環境変化に伴って変わる音速で生じる測位誤差を低減する方法として、4か所に設置したスピーカーとマイクを搭載したロボットの座標およびその時の音速を同時に求める解析手法を提案し、温度センサを用いることなく音速を補正する従来の方式よりも測位誤差を低減することに成功し、3×9mの温室内での測位誤差を14mmにすることに成功している。

第4章では、UGVを用いてSSSLPSにおける各スピーカーからの信号の干渉が、測位測定結果に与える影響を調査した。SSSLPSはノイズに対する高い耐性を有することが知られているが、スピーカーとマイク間の距離に応じて信号強度が変わるため、近くの音源の影響で遠くの音を計測しにくくなる信号の“同一チャネル干渉問題”と呼ばれる課題が知られている。そこで本研究では、FDMA(Frequency Division Multiple Access)とTDMA(Time Division Multiple Access)の2方式を比較し、これらの変調方式がSSSLPSに利用された際のそれぞれの特徴について調査した。その結果、8.3×22mの施設内での測位精度はそれぞれ31.6㎜と12.2㎜でありTDMAの方が優れていたものの、信号伝送の時間遅延が見られたことから、高速で移動するUAVにはFDMAが適しており、低速で移動するUGVや信号更新頻度の低いUAV、比較的大きな施設での測位にはTDMA方式が有効であると結論付けた。

第5章では、得た自己相関の信号からピークを検出し、UVA自身の発する騒音ノイズと移動に伴うドップラーシフトの問題を解決するため、一連の自己相関から最も高い信号対雑音比のピークを選択することで、ドップラーシフト量を補償するアルゴリズムを提案している。移動中の実際の位置計測は、モーションキャプチャの動画から求め、従来法と比較した結果、自己相関ピークの検出成功率は90%以上を達成し、測位精度も88.2㎜から74.5㎜まで改善した。

第6章では各章をまとめると共に本論文を総括し、本論文で提案した手法は、センサを使用することなく温度誤差を補償できるとともに、信号の同一チャネル干渉を許容し、SSSLPSによるUAVの位置推定能力を向上することを実験的に示しており、本提案手法は、低コストで高精度な施設内用のロボット測位システムになり得ると結論付けている。

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