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大学・研究所にある論文を検索できる 「Lithocholic acid increases intestinal phosphate and calcium absorption in a vitamin D receptor dependent but transcellular pathway independent manner」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Lithocholic acid increases intestinal phosphate and calcium absorption in a vitamin D receptor dependent but transcellular pathway independent manner

橋本, 展洋 大阪大学

2020.04.30

概要

〔目的(Purpose)〕
 高リン血症が生命予後悪化と正相関し、リン吸着薬による介入が生命予後を改善させることが知られている。しかしながら、野不全患者のリン代謝を適切に管理するためには、アドヒアランスの低下を引き起こすほど数多くのリン吸着薬が必要であり、新たな視点に立脚したリン代謝制御法の確立が望まれている。リトコール酸(LCA)はヒ卜腸内細菌により生成される二次胆汁酸であり、vitamin D receptor(VDR)のリガンドとなり得る。しかしながら、LCAのVDR結合様式は活性型vitamin Dと異なっており、LCAがリン代謝に与える影響は不明な点が多い。今回、LCAがリン代謝に与える影響を検討した。

〔方法ならびに成績 (Methods/Results)〕
 野生型マウスに0.2% LCAを1日問混餌投与したところ、腸管リン吸収が亢進したが、尿中排泄が亢進することで血消リン濃度は一定に保たれた。胆汁酸吸着レジンであるコレスチラミンを投与すると、LCAの影響は消失した。5/6腎摘マウスに0.2% LCAを1日間混餌投与すると、腎機能正常時とは異なり尿中リン排泄が亢進せず、血消リン濃度が上昇した。次にヒトの胆汁酸濃度をLC/ESI-MSで測定した。ヒト便中LCA濃度と、LCA産生の律速酵素の遺伝子である便中BaiE遺伝子活性は正の相関を認めた。また副甲状腺ホルモン、fibroblast growth factor 23、活性型vitamin Dは腎機能低下時には血清リン値を下げる方向に調節されているが、便中LCA濃度は腎機能が低下しても変化しなかった。LCAは高リン血症の新たな治療ターゲットになり得ることが示唆された。
 LCAの腸管リン吸収増加させる機序を検討するために、Cre LoxPシステムを用い、腸管上皮細胞特異的knockout(iVDRKO)マウスを作成した。iVDRKOマウスでは、LCAの腸管リン吸収増加作用は完全に消失したため、LCAは腸管上皮細胞のVDRのみに作用し腸管吸収を増加させると考えられた。腸管リン吸収は、リン酸トランスポーターであるNaPi-IIb(Sodium-dependent phosphate transport protein IIb)を介するtranscellular pathwayと、細胞間を通り抜けるparacellular pathwayの2通りが存在するとされる。Western blot法ならびに免疫染色で、LCAは腸管刷子縁のNaPi-IIb発現量を変化させないことを確認した。32Pを用いた反転腸管法では、LCAの腸管リン吸収増加はNa非依存性であり、LCAはparacellular pathwayによる腸管リン吸収を増加させると考えられた。Paracellular pathwayによる腸管リン吸収の詳細は明らかになっていないため、細胞間結合を構成しているlight junctionの評価を行った。LCAはtight junction構成蛋白であるclaudin3とoccludinの蛋白発現を低下させた。Cldn3 knockoutマウスの腸管で、上記と同様に反転腸管法を行ったところ、野生型マウスと比較し、腸管でのリンのtransportが増加した。

〔総括(Conclusion)〕
 LCAは腸管上皮細胞のVDR依存的に腸管リン吸収を増加させる。LCAはparacellular pathwayによる腸管リン吸収を増加させる。LCAは高リン血症の新たな治療ターゲットになり得る。

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