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大学・研究所にある論文を検索できる 「Insulinoma induces a hyperinsulinemia-mediated decrease of GLUT2 and GLP1 receptor in normal pancreatic β-cells」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Insulinoma induces a hyperinsulinemia-mediated decrease of GLUT2 and GLP1 receptor in normal pancreatic β-cells

焦, 裕之 大阪大学

2021.03.24

概要

〔目 的(Purpose)〕
 インスリノーマは、低血糖にも関わらず高インスリン血症を認める機能性膵神経内分泌腫瘍である。これまでインスリノーマ患者において、術後に一過性の高血糖を呈することが報告されている。一般的な術後高血糖は、術後急性期には、手術侵襲によりカテコラミン、グルカゴン、成長ホルモン、および糖質コルチコイドなどの血糖上昇作用を有するホルモン分泌の上昇によりインスリン抵抗性が増大することが関与する。また、術後慢性期における高血糖は、脾切除によるβ細胞量の減少と、その結果としてのインスリン分泌能の低下に起因している。しかし、インスリノーマ患者における術後の一過性高血糖を引き起こすその他の要因は明らかになっていない。
 本研究は、インスリノーマにより脾切除術を受けた患者の一過性術後高血糖の原因としてインスリン分泌の低下が関与しているとの仮説のもと、インスリン分泌に関わるglucose transporter 2(GLUT2)とglucagon-like peptide1receptor(GLP1R)に着目して組織学的に検討を行った。また、インスリノーマ症例と正常耐糖能症例での違いを生じたメカニズムについて細胞生物学的検討を行った。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
[対象と方法]
 2012〜2017年に脾インスリノーマと診断、脾切除術を施行された5症例を対象とした。また、2009年〜2013年に膵癌、膵管内乳頭状粘液産生腫瘍などと診断され、75g経口糖負荷試験にて正常耐糖能であり、滕切除術を施行された5症例を対照群として、切除膵組織に含まれる非腫瘍部滕組織を形態学的に比較検討した。GLUT2あるいは GLP1Rとインスリンの蛍光二重染色を行い、インスリン染色で認識される膵島径100pm以上の非腫瘍部膵島全てを評価した。評価対象膵島におけるGLUT2あるいはGLP1Rが陽性となるβ細胞を一つでも認める場合を陽性膵島とし、計測した。評価対象全膵島数に対する陽性率を算出し、インスリノーマ症例と正常耐糖能症例で比較検討した。
 続いて、MIN6細胞を用いて細胞外インスリン濃度によるGLUT2, GLP1R発現の変化を検討した。MIN6細胞の培地内にインスリン(10μg/ml)を添加し、12時間負荷でGLUT2の変化を、また、24時間負荷でGLP1Rの変化についてインスリン添加群ならびに非添加群におけるmRNA発現とタンパク発現を比較検討した。
 
[結果]
 切除膵組織において、GLUT2は正常耐糖能症例でほとんどの脾島で陽性となるもののインスリノーマ症例では有意に少なかった(正常耐糖能症例95.9±6.7%、インスリノーマ症例31.6土15.3%、p く 0. 01)。また同様に、GLP1Rも正常耐糖能症例のほとんどの膵島に認められたが、インスリノーマ症例では有意に少なかった(正常耐糖能症例96. 7土 5.0%、インスリノーマ症例66.8土15.0%、p<0. 01)。MIN6細胞にインスリンを12時間負荷したところ、GLUT2のmRNA発現に差は認めなかったが、タンパク発現が81.4%に減少していた。また、24時間の負荷では、GLP1RのmRNA発現に差は認めなかったが、タンパク発現が50.0%に減少していた。

〔総 括(Conclusion)〕
インスリノーマが正常部膵島におけるGLUT2およびGLP1R発現の低下に関連し、これらの現象は高濃度インスリンが関与することが示唆された。

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