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大学・研究所にある論文を検索できる 「中性粒子分布と荷電粒子の質量差が電気推進機の性能に与える影響」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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中性粒子分布と荷電粒子の質量差が電気推進機の性能に与える影響

鷹尾, 祥典 京都大学

2022.03

概要

研究目的 (Research Objective):
近年、小惑星探査機「はやぶさ 2 」に代表される電気推進機が宇宙工学分野で活躍の場を広げつつある。一般にこれらの電気推進機においては、貯蔵時には安定で放電時には電離し易い希ガス(キセノン等)を推進剤に選定し、そのプラズマ源を様々な方法で加速することにより推力を得る。プラズマには電子、イオン、背景ガスの中性粒子が存在するが、電気推進機に使う低圧プラズマにおいて一般的に大部分を占めるのは中性粒子である。そのため、低圧プラズマの解析に用いられる Particle-in-Cell PIC (PIC )法において、荷電粒子と中性粒子との衝突を考慮する場合には、中性粒子密度を時間・空間的に一定として MonteCarlo Collision MCC ( MCC )法により組み込む形がほとんどである。しかし、近年の電気推進機の研究開発動向として、大電力化と小型化の二つの大きな流れがあり、結果、この内容が当てはまらない状況が生まれている。

例えば、電磁加速型で用いるヘリコンプラズマ源等で電離度が高くなる状況においては中性粒子枯渇により中性粒子の分布が大きく変化し、結果としてプラズマ分布も変化することにより電気推進機の性能に影響を及ぼす事が実験的に明らかにされた[Takahashi et al.,PRL, 2015]。この現象は用いるガス種によっても影響度合いが異なる事も分かっており、荷電粒子の質量差も推進性能への影響として現れている。

他方、小型化の流れの代表例は、利活用が急激に高まっている超小型衛星(< 50 kg)にも搭載可能な推進機である。希ガスは貯蔵時に安定はしているものの、高圧ガス配管系の使用は避けられず小型化の妨げになっている。特に需要の高い 10 kg 級の超小型衛星に希ガスを推進剤とする推進機を搭載するには技術的にも法律的にも難しく、液体等の推進剤を用いる必要に迫られている。この問題克服に水を推進剤とした小型イオンエンジンが提案され、研究代表者が PIC-MCC 法を用いた解析を進めている。水はキセノンと比較すると質量がかなり軽く拡散しやすい傾向を持つ上、分子性ガスとなるため衝突反応は複雑となり、解離や負イオンも扱う必要があり、キセノンとは放電特性、ビーム引き出し特性も変化することが分かってきている。また、ビーム引き出しにおいては、電荷交換衝突による低速イオンの生成に伴うグリッド損耗も発生するため、グリッド近傍の中性粒子分布の取り扱いも重要となってくる。

このように幅広い電気推進機に共通する課題として、中性粒子分布と荷電粒子の質呈差が性能に与える影響があり、これらの解析により汎用的な指針を得ることを日的とする。

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