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大学・研究所にある論文を検索できる 「Genetic architecture of microRNA expression and its link to complex diseases in the Japanese population」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Genetic architecture of microRNA expression and its link to complex diseases in the Japanese population

Sonehara, Kyuto 大阪大学

2022.09.22

概要

[目的(Purpose)]
ゲノムワイド関連解析(genome-wide association study: GRAS)により、と、ト表現型と関連する数万単位の遺伝的多型が同定されできた一方で、個々の多型と表現型を嫌介する分子メカニズムは多くの場合不明である。マイクロRNAは進伝子発現の転写後調節を担う短鎖ノンコーディングRNAであり、幅広い疾患病態への関与が報告されてきた。疾患感受性多型の中にはマイクロRNAの発現調節を介して疾患リスクに影響するものが存在することが疑われるが、その解明にはマイクロRNA発現量を規定する遺伝子座(microRNA expression quantitative trait locus: mi RNA-eQTL) のデータベースが必要となる。過去のmiRNA-eaTL解析は主に欧米人を対象に行われているため、集団間の遺伝的差異を考慮すると、アジア人集団における疾患感受性多型の解釈のためにはアジア人を対象としたmiRNA-eQrL解析が必要となる。本研究では、日本人集団におけるmi RNA-eaTLのデータベースを構築した上で、大規模CHASデータと統合することでマイクロRNA発現の遺伝的制御と疾患感受性との関連を解明することを目的とした。

[方法ならびに成績(Methods/Results)]
i) 日本人におけるmiRNA-eQTLデータベースの構築
血縁関係にない141名の日本人田来の末梢血単接球細胞分画からRNAを抽出し、小分・子RNAシークエンス(Sinel1 RNA sequencing: sRNA-saq)により各個人におけるマイクロRNA発現量を網羅的に定量した。全加からゲノムDNAを抽出し、全ゲノムシークエンス(whole-genone sequencing:WCs)により各個人の遺伝的多型情報を網羅的に取得した。定量した343種のマイクロRNAについて、発現量と有意な関連を示す遺伝的多型を探索したところ、40のマイクロRNAがeaTLを有することを見出した。これらのうち25のマイクロRNAは欧米人を対象とした既報のmiRNa-oRTL研究では見られなかった。特にそのうち5つのマイクロRNAに関しては、最も強い関連を示す遺伝的多型自体が欧米人集団では見られず(マイナーアレル頻度 = 0%)、集団特異的なe&TL解析の必要性が実証された。

従来のmiRNA-eQTL研究では、各個人のマイクロRNA発現の総量と多型との関連を検定する手法が主に用いられてきた。本研究ではそれに加え、SRNA-segで得られたリード上の多型情報を活用したアレル特異的発現解析を実施することで、従来の解析では検出されなかったマイクロRNA (miR-933)に対する遺伝的多型の影響を検出した。また、WCSのリード深度(デプス)情報に基づき全ゲノム中の大規模なコピー数多型領域 (copy nunber variation: cNv)を網羅的に同定することで、マイクロRNA発現量とCNVとの関連を解析したところ、ONVの影響を受けるマイクロRNA(miR-570-3p)を検出した。

ii) マイクロRNA編集部位の同定
WCSで得られた遺伝的多型情報とsRNA-senで得られたリード上の塩基置換情報を照合し、転写後に生じるマイクロRNA編集を探索した結果、16のマイクロRNA編集部位を同定した。これらのうち7部位(44%はアデノシンがグアノシンに置換されるA~to-C塩基置換であり、この比率は既報における値と同等であった。

iii) miRNA-eQTLデータを用いた疾患感受性多型の機能的意義付け
141名のマイクロ RNA発現量と遺伝的多型情報を統合し、個人の多型情報に基づき遺伝的に規定されたマイクロRNA発現量を予測する機械学習モデルを構築した。このモデルを既報の25形質の日本人GHASデータ(平均サンプルサイズ>19万) に適用することで、トランスクリプトームワイド関連解析(transcriptome-wide association study: TWAS) を実施した。マイクロRNA miR-1908-5pが身長、大腸がん、2型糖尿病と有意な関連を示すことを見出した。

[総括(Conclusion)]
日本人集団におけるmiRNA-eaTLデータベースを構築すると共に、従来のmiRNA-eQTL研究では検討されてこなかったアレル特異的発現やCNYとの関連を明らかにした。TWASの結果、miR-1908-5pが大腸がんおよび2型糖尿病のバイオマーカーとなる可能性が示唆された。本研究で構築したmiRNA-eQTLデータベースは、アジア人集団において同定された疾患感受性多型の背後に潜む分子メカニズムの解明に資することが期待される。

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