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大学・研究所にある論文を検索できる 「Dysregulated Expression of the Nuclear Exosome Targeting Complex Component Rbm7 in Nonhematopoietic Cells Licenses the Development of Fibrosis」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Dysregulated Expression of the Nuclear Exosome Targeting Complex Component Rbm7 in Nonhematopoietic Cells Licenses the Development of Fibrosis

福島, 清春 大阪大学

2020.06.30

概要

〔目的(Purpose)〕
肺線維症は診断後3〜5年で約半数が死亡する非常に重篤な疾患である。また、腎の線維症である腎硬化症や肝臟の線維症である肝硬変も同様に、有効な治療法が未だ存在していないために不治の病とされる。これまで病態解析について数多くの研究がなされ、各種の知見が蓄積されているものの、未だ線維症の発症メカニズムは不明な点が多く残されている。線維症の発症には免疫細胞が関与していると考えられてはいたが、どの免疫細胞が線維化の発症に関わるかは不明であった。我々の研究グループでは線維化の進行とともに患部に集まるある特定の単球が線維症の発症に関与していることを解明し、これまでに報告のない新しい細胞であったために、単球でありながら特徽的な2核様の核型を有し顆粒球が有している顆粒を細胞質に所持していることからSegregated atypical monocyte(SatM)と名前を付けて報告した(Satoh T et al. Mature 2017)。そして、次に解き明かす命題として、SatMの線維化部位への遊走メカニズムおよび線維化の開始時期に各臓器でおこる現象・変化を解き明かすことが重要であると考えた。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
マウスのブレオマイシン肺線維症モデルにおいて線維化期の肺から分泌されるケモカインであるCXCL12がSatMの遊走に重要な役割を果たしていることを見いだした。加えて、このCXCL12は非免疫細胞(CD45-cells)、特に傷害を受けた上皮で細胞死に伴い高度に誘導されることを見出した。これにより、非免疫系の研究が線維症のメカニズムの解明のために重要であると考え、非免疫細胞においてmicroarrayおよびwestern blotを併用して網羅的な遺伝子発現解析を施行し、線維化の発症に伴って高度に発現が上昇する遺伝子としてRbm7を見出した。Rbm7はRNAを認職して、その分解に関わることはわかっていたが、生体における役割は不明な点が多かった。Rbm7の生体内での機能解祈を行うために、ノックアウトマウス(Rbm7⁻/⁻)を作製し、解析を行った。Rbm7⁻/⁻マウスはSatMの集積が起こらず、線維症が強く抑制されていることを見出した。さらに、Rbm7は線維化期の肺上皮で上昇し,この時期に起こる持続的な肺上皮細胞死に深く関連することを明らかにした。線維化に伴って起こる細胞死に関わる分子メカニズムを解明するため、Rbm7と結合するRNAを同定するRNA免疫沈降実験及びRbm7の有無により発現が変動する遺伝子を検索するRNA-seq解析を行った結果、long non-coding RNAであるNEAT1の分解に関わることが明らかになった。さらに、Rbm7欠損下ではNEAT1の発現が上昇し、NEAT1が形成する核内構造体(NEAT1-speckle)が增加する。これによりBRCA1の核内分布が変化することが、細胞死への耐性と関連していることが明らかとなった。Rbm7は肝臟・腎臓においても線維化に伴い顕著に発現が上昇し、Rbm7-/-マウスは肝臟・腎臓の線維化も著しく抑制した。以上の成果より、Rbm7によって制御された細胞死が線維化進展において各種の臓器で重要な役割を果たしていることが明らかとなった。RBM7はヒトにおいても肺線維症・肝硬変・腎硬化症などの線維化を伴う病態において、疾患の発症に伴って発現が高度に上昇していた。

〔総括(Conclusion)〕
今回、線維化期に誘導されるRBM7という遺伝子が線維症の発症に閣与していることを解明した。RBM7はヒトにおいても肺線維症・肝硬変・腎硬化症などの線維化を伴う病態において、疾患の発症に伴って発現が高度に上昇しており、線維症治療の新規標的として期待される。

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