吸入療法イノベーションの実現:高分子・抗体医薬の経気道投与による肺癌治療戦略
概要
本研究は、肺がんの次世代治療法として「吸入免疫治療」を提唱し、その素材に食品としてなじみ深く保健効果が期待される「乳酸菌」の活用を提唱する内容である。本研究グループは、人体に有用な生理活性物質や疾患の活動性に関わる物質を産生する乳酸菌の遺伝子組換え体を設計し、疾患をコントロールしうる生理活性物質を「生物資源医薬」と定義し次世代の医薬品としての活用を目指している。本研究では肺がん免疫治療に関わる免疫チェックポイント関連のProgrammed cell death-1を阻害する物質を産生する遺伝子組換え乳酸菌を作成し、マウス肺がんモデルへの乳酸菌投与により生存率の大幅な改善を確認した。