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大学・研究所にある論文を検索できる 「Pemafibrate suppresses NLRP3 inflammasome activation in the liver and heart in a novel mouse model of steatohepatitis-related cardiomyopathy」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Pemafibrate suppresses NLRP3 inflammasome activation in the liver and heart in a novel mouse model of steatohepatitis-related cardiomyopathy

冠野, 昂太郎 大阪大学

2022.03.24

概要

〔目的(Purpose)〕
近年、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者数が増加しているが、NAFLD患者の約30%が心血管疾患で死亡することが報告されている。またNAFLDや肝線維化を合併する患者は、左室拡張能が悪化することも報告されている。今回研究で用いたペマフィブラートは、PPAR αへの結合能が蓍しく高い新規フィブラート系製剤であり、NAFLDへの治療効果が期待されている。ペマフィブラート投与により、肝臓の脂肪滴が減少し肝臓のTNF-αの遺伝子発現が低下することが動物モデルで報告されているが、その詳細なメカニズムは分かっていない。そこでこれらの背景を踏まえて、本研究では動脈硬化惹起食により誘導した脂肪肝炎モデルマウスの心臓の表現型、分子メカニズムを明らかにすること、ペマフィブラート投与による影響を検討することとした。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
C57B1/6雄マウスにそれぞれ次の如く餌を与えた。1)普通食(C)、2)高脂肪・高コレステロール,高ショ糖・胆汁酸食(NASH食;N)、N食にペマフィブラートを加えたもの(NP)を8週間摂取させた。脂肪肝炎と心筋症の発症、またペマフィブラート投与による影響の基礎的なメカニズムについて、マウスの肝臓と心臓の表現型を調べ、それぞれの食事が各臟器に及ぼす影響を検討した。
肝臓において、N群ではC群に比べマクロファージの浸潤と線維化がみられた。一方NP群では、N群と比較しマクロファージの浸潤が顕著に抑制され、線維化も抑制されていた。N群ではC群に比べ血清中のTNF-αが約10倍に増加した一方でNP群ではN群と比べ40%低下した。脂質抽出を行い肝臟の遊離コレステロール量を測定したところ、N群ではC群と比較し約5倍上昇し、NP群ではN群と比較し約50%低下していた。偏光顕微鏡ではN群でコレステロールの結晶が観察されたがNP群では観察されなかった。RT-qPCRおよびウェスタンブロッティングを行ったところ、インフラマソーム関連遺伝子およびタンパクであるCaspase-1の発現がN群において(:群と比べ増加し、NP群においてN群より抑制されていた。 超高磁場7T-MRIを用いて心機能を測定した。その結果、N群ではC群と比べ左室駆出率が有意に低下する一方、NP群で はN群と比較し上昇し、C群と同等に保たれていた。また左室重量はNP群においてN群より低下していた。心筋の局所的な障害を調べるため、ストレインイメージを用いた解析を行った。その結果、心筋の短軸像において、円周方向と垂直方向における歪みがN群でC群と比べ有意に低下しており、局所的な心筋障害の存在が示唆された。またこれはNP群でN群と比べ改善していた。さらにWGA染色を用いて心筋1細胞あたりの面積を測定したところ、N群でC群と比べ面積が増加し、NP群でN群と比べ抑制されていた。これらのことからN群では求心性肥大を伴う、局所的心筋障害による左室収縮能低下が生じており、NP群ではそれらの障害が抑制されていることが分かった。原因検索のためRNA seduenceを行ったところ、NF-kBの系や、無菌性炎症の系であるNOD-like receptor.心肥大に関係するPI3kinase-AKT pathwayがN群においてC群と比較し発現亢進しており、NP群で抑制されていた。 RT-qPCRおよびウェスタンブロッティングにより、肝臟と同様にインフラマソーム関連遺伝子および蛋白の発現がN群においてC群と比較し有意に増加し、NP群でN群と比較し低下していることが分かった。心筋の脂質抽出を行ったところ、肝臓と同様、N群においてC群と比較しN群の遊離コレステロール含量が有意に増加し、NP群ではN群と比較し低下していた。さらに活性酸素腫(ROS)発現量を、DHEアッセイを用いて測定したところ、N群でC群と比べ発現が増加し、NP群でN群と比べ低下していることが分かった。

〔総括(Conclusion)〕
コレステロールを多く含む動脈硬化惹起食を与えることで、脂肪肝炎に心筋症を合併するマウスモデルを作成し、脂肪肝炎関連心筋症として解析した。脂肪関連関連心筋症には、遊離コレステロール蓄積によるNLRP3インフラマソーム経路の活性化を介した無菌性炎症が関与していた。ペマフィブラートの投与により、脂肪肝炎、肝線維化、脂肪関連関連心筋症が抑制された。

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