リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「White Adipose Tissue Autophagy and Adipose-Liver Crosstalk Exacerbate Nonalcoholic Fatty Liver Disease in Mice」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

White Adipose Tissue Autophagy and Adipose-Liver Crosstalk Exacerbate Nonalcoholic Fatty Liver Disease in Mice

坂根, 貞嗣 大阪大学

2021.10.31

概要

〔目 的(Purpose)]
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は肥満の合併率が高く、内臟脂肪型肥満はNAFLD/NASHの予後規定因子である肝線維化の独立した危険因子であることが報告されており、脂肪組織の増大はNAFLD/NASHの病態形成に重要な役割を与えていることが示唆されるが、そのメカニズムは明らかではない。我々は細胞内恒常性維持に重要な役割を果たしているオートファジーに着目し、脂肪組織のオートファジーがNAFLD/NASHの病態に与える影響について検討した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)]
野生型雄マウスC57BL/6Jに高脂肪食(HFD32、以下HFD)を摂取させると、負荷1ヶ月より脂肪組織の肥大が観察された。肝組織については負荷2ヶ月では通常食と比較して変化を認めなかったが、負荷4ヶ月では肝脂肪蓄積の増加と肝細胞アポトーシスの誘導を認め、HFD負荷8ヶ月では肝細胞の脂肪変性、炎症細胞浸潤、風船様変性に加え軽度の線維化が観察され、NAFLD/NASHの病態進展に類似した肝組織像が観察された。HFD負荷2ヶ月での白色脂肪組織として鼠径部皮下脂肪と精巣周囲脂肪のオートファジーを検討したところ、両者においてオートファジー抑制タンパクRubiconの発現低下とp62の減少を認め、オートファジー亢進が示唆された。次に高脂肪食負荷2ヶ月マウスを解剖後、鼠径部皮下脂肪と精集周囲脂肪を摘出し、ex vivoでオートファジーフラックスを評価したところ、オートファジーフラックスの増加を認めた。次に白色脂肪組織のオートファジーと脂肪分解との関連を検討するために、マウス白色脂肪細胞株3T3-L1細胞を分化後、パルミチン酸を12時間負荷した際のオートファジーフラックスと脂肪分解を評価したところ、オートファジーフラックスの増加と脂肪分解亢進を認めた。また、分化後の3T3-L1細胞にラパマイシンを投与しオートファジーを亢進させると、脂肪分解亢進と脂肪蓄積減少が観察され、白色脂肪細胞におけるオートファジー亢進が脂肪分解を誘導することが示唆された。そこで脂肪細胞特異的にオートファジー不全を生じるAdiponectin-Cre Atg7 flox/floxマウス(以下Adipoq-Atg7 KOマウス)を作成し、通常食およびHFD摂取時の表現型を検討した。Adipoq-Atg7 KOマウスは、通常飼育下では同腹仔のコントロールと比較して明らかな表現型を認めなかった。本マウスにHFDを摂取させると、負荷1ヶ月より鼠径部皮下脂肪の肥大を認めるが、負荷4ヶ月以降では性腺周囲脂肪が逆に萎縮する特徴的な表現型を呈した。Adipoq-Atg7 KOマウスの皮下脂肪では野生型コントロールと比較して脂肪滴の増大が見られ、オートファジー抑制による脂肪分解低下が示唆された。一方、Adipoq-Atg7 KOマウスの性腺周囲脂肪ではJNK pathwayの活性化を伴うアポトーシスの亢進を認め、これが性腺周囲脂肪萎縮の一因と考えられた。続いて肝組織の解析を行った。Adipoq-Atg7 KOマウスの肝細胞ではオートファジーに変化を認めなかったが、野生型コントロールと比較してHFD負荷2ヶ月以降で肝脂肪蓄積が軽減した。負荷8ヶ月では、血清ALH値の低下とTUNEL腸性細胞数の低下を認め、肝細胞アポトーシスの改善を認めた。また、肝組織のシリウスレッド染色陽性領域が低下し、線維化マーカーであるColla1, Colla2, Lox, Timp1の発現が低下し、線維化の改善を認めた。

〔総 括(Conclusion))
高脂肪食により誘導される白色脂肪組織のオートファジー亢進は非アルコール性脂肪性肝疾患の肝病態増悪に寄与する。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る