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大学・研究所にある論文を検索できる 「ヘリオトロンJ3次元磁場における周辺プラズマ輸送およびダイバータ熱負荷に関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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ヘリオトロンJ3次元磁場における周辺プラズマ輸送およびダイバータ熱負荷に関する研究

的池, 遼太 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k24008

2022.03.23

概要

本論文は、核融合プラズマ周辺領域における熱・粒子の輸送、及び、ダイバータ熱負荷に関し、先進ヘリカル磁場閉じ込め装置ヘリオトロン J の3次元磁場配位に周辺輸送モデリングを適用した輸送計算結果、及び、実験的検証をまとめたものであり、7章からなっている。

第 1 章は序論である。核融合炉の実現に向けた課題の一つにダイバータ機器の受ける熱負荷があり、その設計のためには 3 次元磁場中における熱・粒子輸送の理解が不可欠であることを述べ、その先行研究を示した。また、本研究で利用する 3 次元周辺輸送コード EMC3-EIRENE について、その原理を説明した。このような背景を説明し、本研究の目的と意義を述べている。

第 2 章では、ヘリオトロン J 装置へのEMC3-EIRENE コード適用について述べている。磁力線追跡コードを利用して標準磁場配位における周辺磁場構造を調べ、計算に必要な高い空間解像度を有する 3 次元グリッドを開発した。グリッド作成にあたっては、グリッド作成ツール FLARE と併用する形で独自のプログラムを開発し、磁力線追跡から予測されるプラズマが分布する領域全体を包含しつつ、磁力線に沿った構造を持つ 3 次元グリッドを実現した。作成した 3 次元グリッドを用いたモデリング計算結果についての検証を行い、計算の収束性、および、解像度が十分にあることを確認している。

第 3 章では、ヘリオトロン J における典型的な 3 種類の磁場配位を対象として、周辺プラズマ分布および真空容器上の熱負荷分布について磁力線長分布との比較および電子密度依存性を評価している。コアプラズマの電子密度上昇に伴って、ダイバータ熱負荷における分布が平坦化すること、また、ピーク位置がシフトすることを定量的に示した。プラズマ対向壁全体のグローバルな熱の分配を評価するために、新たな熱流束分布関数を導入した。解析の結果、高密度化によって熱流束ピークが減少すること、低熱流束の増加すること、また、低い熱流束も無視できない量の熱を壁に伝えていることを明らかにした。この熱流束分布関数の導入により、熱の分配において磁場配位制御が高熱流束の低減につながることを示した。

第4章では、SOL 中を流れる熱流束や粒子束といった物理量に注目し、ダイバータ構造と輸送特性の関連を議論している。ポロイダル断面における流束や圧力の分布において、小半径方向に SOL 領域を内側と外側の 2 領域に分割するような境界構造が見られた。この構造は磁力線に沿った熱流束である平行熱流束においても見られている。内側領域にあたるダイバータレグの根本側と外側にあたるダイバータレグの先端側に 2 つのピークが存在し、コアプラズマ密度の変化に応じて位置や強度が変化することを示した。このような分布の変化は壁の受ける熱負荷の密度依存性に対しても矛盾ない結果である。

第5章では、プラズマ実験における、静電プローブ計測を用いた周辺プラズマのフロー構造計測について述べている。流束、圧力、平行熱流束の分布において、SOL 領域を内側と外側に分割するような境界構造があることを明らかにし、壁上の熱負荷分布の結果との比較から、分布の変化が壁上熱負荷分布の密度依存性と因果関係があることを示した。静電プローブを用いて閉じ込め磁場の X-point 近傍でプラズマフローの方向を計測したところ、フローの方向がモデリング計算と一致する結果が得られた。

第6章では、ヘリオトロン J のダイバータ構造制御のための磁場配位の検討を行っている。回転変換制御によるダイバータ磁場配位の数値計算を行い、回転変換が低次の有理面となったとき周辺領域に磁気島構造を評価した。プラズマ実験では電子密度・温度分布が回転変換に依存することが観測されており、周辺磁気島構造がプラズマ閉じ込め・輸送に重要な役割を果たしていることを示した。

第7章は総括であり、本論文で得られた成果について要約している。

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