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Discovery and characterization of transiting exoplanets with diverse radii and ages

デレオン, ジェローム ピトゴ 東京大学 DOI:10.15083/0002006678

2023.03.24

概要

論文審査の結果の要旨
氏名

デレオン ジェローム ピトゴ

系外惑星系の普遍性と多様性そしてその起源を解明することは現代天文学の重要課題の
一つである。本論文は、系外惑星探査 K2 計画と TESS 計画によるトランジット(惑星の恒
星面通過による周期的減光)観測データを用いて、惑星探査と特性評価を行ったものである。
本論文は 5 章と付録からなる。第 1 章は序章であり、研究の背景と目的、そして結果の
概要が示されている。まず、系外惑星の観測方法とこれまで Kepler 計画と K2 計画で発見
されている系外惑星の特徴がまとめられている。次に本論文で用いる惑星候補天体を発見
した Kepler 計画、K2 計画、TESS 計画について紹介し、トランジット観測やそのデータ
解析の基本についてまとめている。そして、本論文の動機と目的を説明し、そのための手
法と成果の概要を紹介している。
第 2 章は K2 計画で得られているトランジット観測データを用いた惑星探査である。72
候補天体に対して、追加観測を行い、惑星の統計的確認を行っている。まず、使用する K2
計画観測データについて説明し、複数の観測キャンペーンのデータを用いることで、より
高精度で、さらに長周期の惑星を発見できることが示されている。続いて、追加観測・ア
ーカイブデータについて紹介している。追加観測では、偽陽性を排除するための予備的分
光観測、補償光学やスペックル法を用いた高解像度撮像、アーカイブデータでは Gaia DR2
を用いている。次に恒星の特性、トランジットのモデル、偽陽性確率等の解析方法につい
て説明している。統計的解析の結果、35 個の惑星が確認され、その内 4 個は新発見であっ
た。惑星の典型的な半径は約 2.2 地球半径で、軌道周期は 2 日から 52.7 日の間にある。こ
れらの惑星にはもっとも長周期な海王星サイズ惑星、希少な F 型星周りの土星サイズ惑星、
そして様々な構造の複数惑星系が含まれている。また、42 個の恒星の自転周期を求め、ト
ランジット時間変化からすでに惑星が 1 個発見されている EPIC 212058012 に惑星候補天
体 1 個を発見している。
第 3 章はトランジット観測による大型惑星候補天体 EPIC 9937 の多色観測と位相曲線に
よる惑星の確認である。まず、トランジット惑星候補天体の確認の方法と問題点について
まとめている。地球半径の 8 倍を超えるような大型惑星は、褐色矮星や赤色矮星と半径が
同程度であり、質量による区別が必要なことが述べられている。続いて、伴星が存在する
場合、伴星の反射と熱放射、潮汐変形、ドップラービーミングによってどのようにトラン
ジット光度位相曲線が影響を受けるかをまとめている。そして、複数の望遠鏡を用いた多
色追加観測についてまとめている。位相曲線モデルとの比較から EPIC 9937 の伴星の質量
の上限と有効温度を求め、惑星の範囲であることを示している。さらに多色追加観測から
トランジット減光率が波長非依存であること示して、連星の可能性を排除し、EPIC 9937
は、木星質量以下の低密度の稀有な惑星であると結論している。
第 4 章は若い恒星における惑星の発見についてである。TESS 計画によって HD18599 が
1

周期的な減光を示すことが発見されている。まず、惑星について、Spitzer による赤外線
でのトランジット追加観測を行い、TESS のデータと合わせてトランジットのモデル化を
行い惑星のパラメータを求めている。また、追加分光観測から惑星質量の上限を推定し、
連星の偽陽性でないことを示し、統計的に惑星であることを示している。次に恒星パラメ
ータについて議論し、HD 18599 は年齢 3-8 億年の星団にも運動集団にも属さない K 型星
であることを示している。
第 5 章では全体のまとめと今後の展望が述べられている。
付録 A ではトランジット光度曲線のモデル化の手法についてまとめている。
以上、本論文は、様々な観測・解析手法を用いた系外惑星探査と特性評価の成果であり、
新たに複数の惑星を発見し、その中には惑星形成を考える上で重要な制限を与えうる惑星
系が含まれている。系外惑星系の構造とその起源を探る上でその重要性は極めて大きく、
高く評価できる。
なお、本論文の成果は国際共同計画 KSPRINT(日本代表田村元秀)による共同研究の成果
であるが、論文提出者が主体となって観測データの解析を行ったもので、論文提出者の寄
与が十分であると判断する。したがって、博士(理学)の学位を授与できると認める。

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参考文献

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Zechmeister, M., & Kürster, M. 2009, A&A, 496, 577

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