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大学・研究所にある論文を検索できる 「リン酸オクタカルシウム/コラーゲン複合体埋入による硬膜欠損における頭蓋骨再生」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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リン酸オクタカルシウム/コラーゲン複合体埋入による硬膜欠損における頭蓋骨再生

佐々木 貴史 東北大学

2020.03.25

概要

本学医工学研究科骨再生医工学分野と株式会社東洋紡との共同開発により,リン酸オクタカルシウム ( octacalcium phosphate, OCP ) とブタ由来のコラーゲンとの合成素材であるリン酸オクタカルシウム/コラーゲン複合体 (OCP/Col) が開発された.このOCP/Colは頭蓋骨や抜歯窩などにおいて優れた骨再生を示すことが知られているが , 脳外科手術後などのような硬膜欠損部位における骨再生能に関しては不明である.本研究は,OCP/Col の脳神経外科領域での活用を図るため, 硬膜欠損を有する頭蓋骨欠損後の骨再生を検証することを目的とした.ラットの頭蓋骨に 10 mm の骨削除をおき,ディスク状に作成した OCP/Col を骨欠損部に埋入,小動物用 CT を撮影しながら 12 週の経過観察を行った.免疫組織化学的検討を行い,骨の新生と破骨細胞の新生骨内への進入,および新生血管の増生を確認した.OCP/Col 埋入による骨再生には硬膜欠損の有無が影響しないことが統計学的に示された.

また,イヌを用いた同様の実験も行った.月齢 9 か月の雄性ビーグル犬 5 頭を用い,両側頭頂骨に径 20 mm の骨削除を設け,両側とも硬膜に十字切開を行い,20 mm のOCP/Col ディスクを埋入した.イヌでは,骨ロウにより物理的に母床骨と OCP/Col の連続性が物理的に断たれた場合でも骨再生が得られるかについても評価する目的で,右側の欠損孔でのみ骨の止血に骨ロウを用いた.6 か月の 経過観察ののち,頭蓋骨を脳ごと摘出し観察した.頭蓋骨は肉眼的には全例で再生していたが,硬膜の十字切開のため脳表と新生骨との軽度の癒着が認められた.摘出骨の CT を撮影し,その後脱灰標本を作製,組織学的および放射線学的検討を行った.HE 染色では全例で厚みをもった新生骨の増生が認められ,抗 von Willebrand factor (vWF) 抗体を用いた免疫染色では, 新生骨に血管内皮の増 生を確認した.また,新生骨を凍結粉砕し X 線回折による解析を行った.これにより,新生骨が自家骨と同様の結晶構造を有していることが確認できた.

以上の結果から,OCP/Colはラットおよびイヌの頭蓋骨臨界骨欠損において硬膜欠損の有無によらず,有効な骨再生が得られることが示された.OCP/Col は脳神経外科領域において有用な骨再生材料となることが示唆された.

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