東京薬科大学OSCE運用システムの構築(2) 〜OSCE放送システムの構築〜
概要
東京薬科大学(本学)では、2009年度から正規のOSCE(ObjectiveStructuredClinicalExamination;客観的臨床能力試験)が実施され、全ての試験実施管理を一元化された放送で行う方法が取られた。図1は、本学OSCE全体の動きを受験学生のグループ単位でステーションに移動する時間管理表(図1-①)と、それを館内一斉放送でアナウンス指示する放送時間表(図1-②、③)である。本学OSCEは、学生数400以上のため、1日3ステーションを2日間で実施し、1日目と2日目の試験動作の指示時間が異る日別の管理表2種類が必要とされる。これら放送設定は、2日間における本学OSCE運用に必須な、「実施の要」の基本計画となっている。
2008年度までのいわゆる「トライアルOSCE」(正規OSCEの実施を目的として「試行されたOSCE」行事)の運用管理は、計画されたライブアナウンスや、_動放送器機設定からの放送が試された。この経験を活かし正規OSCEでは、本学設備(教育5号館6F教員室内の放送器機;本学放送システムとパラレルに接続し、教育5号館内の放送を個別管理きるシステム)として新たに設置された、ICレーコーダー/放送プログラムコントローラー/ミキサー/アンプから構成された放送システムを利用した。図2は、放送器機の構成概略図で、個々の器機を組み合わせて一連に動作する仕組みを示している。第一回OSCE(2009年度)ではバックアップ•予備器機の複数化、設定コピー機による冗長化を図り、不測の事態への対応に可能な範囲で重層的に準備された。また、放送器機の不都合による放送停止は、本学OSCEの一時停止となるので、緊急対応フロー(図3)を準備し、3重にバックアップされた器機の切り替え運用など、「再スタートできる体制」がとられた。