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大学・研究所にある論文を検索できる 「Effect of osteocyte-related factors on osteoclastogenesis during orthodontic tooth movement」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Effect of osteocyte-related factors on osteoclastogenesis during orthodontic tooth movement

大堀 文俊 東北大学

2021.03.25

概要

骨細胞は骨基質中に存在し、多数の突起によって細胞間ネットワークを構築している。破骨細胞形成を誘導している細胞は長年、骨芽細胞であると考えられていたが、骨細胞がRANKLを発現し、破骨細胞形成を誘導することが報告された。また、矯正学的歯の移動の際に発現するTNF-αが破骨細胞形成に重要な役割を果たしていることが明らかになっている。しかしながら、矯正学的歯の移動時の破骨細胞形成における骨細胞の役割は明らかになっていないのが現状である。本研究では、骨細胞関連因子のTNF-αによる破骨細胞形成への影響および矯正学的歯の移動時の破骨細胞形成への影響の解明を目的とした。

まず、矯正学的歯の移動時に骨細胞が分泌するスクレロスチンの破骨細胞形成への影響を検討した。骨細胞が蛍光するDmp1-Topazマウスより単離した骨細胞にTNF-αを加えて培養すると、スクレロスチンをコードする遺伝子であるSOSTmRNAの発現が増加することを確認した。また、骨細胞をスクレロスチンと培養するとRANKLmRNAの発現が増加した。さらに、スクレロスチンを加えて骨細胞と破骨細胞前駆細胞とで共培養を行うと、破骨細胞形成が増加した。また、TNF-αをマウス頭蓋部皮下へ注射すると、スクレロスチン陽性骨細胞の割合が増加することがわかった。次に、TNF受容体欠損マウスでNi-Tiクローズドコイルスプリングを使用して上顎左側第一臼歯の近心移動を行なった。上顎左側第一臼歯圧迫側の歯槽骨において、スクレロスチン陽性骨細胞の割合が減少することを見出した。これらの結果より、矯正学的歯の移動において発現するTNF-αは骨細胞のスクレロスチン発現を増強することで破骨細胞形成を誘導し、歯の移動を制御していることが示唆された。

次に、IL-33によるTNF-α依存性の破骨細胞形成への影響について調べた。IL-33は細胞死が起こると放出される因子であり、矯正学的歯の移動時には骨細胞が細胞死を起こす。破骨細胞前駆細胞にTNF-αとIL-33を加えて培養すると破骨細胞形成が抑制され、TNF-αとIL-33をマウス頭蓋部皮下へ注射すると破骨細胞形成および骨吸収が抑制された。また、IL-33はIκBのリン酸化およびNF-κBの核内移行を阻害することがわかった。さらに、マウスの矯正学的歯の移動時にIL-33を歯肉に注射すると、破骨細胞形成が抑制され、歯の移動量が減少した。これらの結果から、IL-33はTNF-αによる破骨細胞形成を抑制することが示唆された。IL-33は矯正学的歯の移動時に細胞死を起こした骨細胞から放出され、圧迫側に発現するTNF-αによる過度の炎症を抑えていると推測される。

これらのことから、骨細胞関連因子は破骨細胞形成に促進的に働く因子もあり、抑制的に働く因子もあることがわかった。

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