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大学・研究所にある論文を検索できる 「Biomolecular nanotechnology-based approaches to investigate nucleic acid interactions」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Biomolecular nanotechnology-based approaches to investigate nucleic acid interactions

Mishra, Shubham 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23724

2022.03.23

概要

これまで分子生物学および生化学研究では、タンパク質や核酸を含む生体システムの構成要素を研究するため、生物学的サンプルを抽出し、質量分析やゲル電気泳動などの生物化学的方法で行われてきた。しかし、さまざまな種類の細胞や組織が存在 し、個々の細胞が小さな隔離された反応チャンバーとして効果的に機能していることを考えると、それらの分子機能は多様性があることがわかる。この不均一性は、従来のアプローチではほぼ完全に失われるが、最近、1分子レベルで詳細に調べる手法が出現してきた。本研究では、DNA 折り紙法を用い、異なる波長の光に応答する分子系を設計し、原子間力顕微鏡を利用してアセンブリーと解離を1分子レベルで検討している。この研究は、構造成分としての DNA に焦点を当て、検討を行っている。後半ではナノポアシーケンシング法を使用して、RNA に存在する転写後修飾を特定する手法についても検討している。膜貫通タンパク質の細孔を利用して、それらを通過する 個々の RNA 分子の修飾塩基の配列の読み取りを提供することができる。

異なる波長での DNA オリガミ構造体の光制御
生体分子の機械的な制御を目的として、刺激応答性スイッチング分子が広く研究されてきた。最近開発されたアリールアゾピラゾール(AAP)は、光異性化反応性を示し、従来から広く使用されているアゾベンゼンと比較して、光照射による応答が速 く、独自の吸収スペクトル特性を示す。申請者は、まず AAP が DNA オリガミ構造体の光照射によるアセンブリと解離を行う光スイッチング分子として使用できることを示した。AAP 修飾をほどこした X 字型オリガミ構造体と六角形オリガミ構造体は、UV 照射と可視光照射を交互に行うことで、アセンブリと解離が達成できることが観察された。AAP 修飾 X 字型オリガミ構造体の線形アセンブリ系では、光照射によって 1mm を超える線形アセンブリが形成された。さらに、2 つの光スイッチ、AAP とアゾベンゼンを組み合わせて使用して、異なる照射波長を使用することにより、異なるアセンブリを自在に独立して制御できることを示した。

ナノポアシーケンシングを使用した RNA 修飾の検出
RNA の転写後修飾は、RNA の構造、機能、安定性に影響を及ぼし、遺伝子の発現と調節に重要な役割を果たす指摘されている。RNA 修飾を検出する方法は、手間のかかるクロマトグラフィーや質量分析などの生化学的手法、または選択的に反応する化学プローブを用いた手法が開発されている。最近の研究では、ナノポアベースの第 4 世代シーケンシング法を利用して、RNA を天然状態で直接シーケンシングすることにより修飾を直接検出されている。ただし、これらのアプローチは、SNP との区別がつきにくく、また参照用にノックアウトコントロールを作成する必要がある。申請者は、新たに「IndoC」と呼ばれる内部比較の方法を提案した。この方法では、潜在的に変更されたサイトの「トレース」や「シグナル強度」などの読み取りごとの機能が、サンプル内の同じ RNA 分子上の類似の配列と比較される。そのため一致するノックアウトコントロールの必要性もない。まず、試験管内転写で RNA を合成し、「トレース」が人工的に生成された SNP とシュードウリジン(Ψ)修飾を区別できることを示した。次に、実際に酵母 rRNA に IndoC を適用すると、「トレース」および「シグナル強度」に顕著な変化を示し、修飾が確認できた。さらに、Ψに選択的な化学反応を引き起こすことによってΨを含む RNA シーケンスが行えることを示した。