新マンモグラフィ装置における画質と被ばく線量評価:旧装置との比較 (第122回成医会葛飾支部例会)
概要
東京慈恵会医科大学
【記 事】
第 122 回成医会
飾支部例会
日 時:2019 年 12 月 14 日
会 場:東京慈恵会医科大学 飾医療センター
5階 講堂
【特別講演】
伝子治療が実施される段階になった.
難治性遺伝性網膜疾患の治療に向けた遺伝子解析
ビタミン A 代謝を司る視サイクルで,活性型ビ
タミン A である 11-cis retinal が産生されないこと
研究
東京慈恵会医科大学
飾医療センター眼科
で,難治性遺伝性網膜疾患が引き起こされる.代
林 孝彰
表疾患として,11-cis retinol から 11-cis retinal に
〇
難治性遺伝性網膜疾患は,治療法の開発が急務
変換する酵素をコードする RDH5 遺伝子異常によ
でありながら,決定的な治療法が確立していない
り,
白点状眼底が引き起こされる.白点状眼底は,
重要疾患で,その大半を占める網膜色素変性や黄
これまで停在性夜盲に分類され進行性はしないと
斑(錐体)ジストロフィは難病認定されている.
されてきたが,私たちは晩期に錐体機能異常,黄
難治性遺伝性網膜疾患の遺伝子型と表現型の関連
斑部異常が検出されるケースが少なくないことを
性を研究テーマとして,2001 年から研究を開始
明らかにした.
し,これまで網膜色素変性を含め様々な疾患で,
本講演では,間もなく本邦でも遺伝子治療が開
新規遺伝子変異を特定し,欧米とはその原因が異
始される可能性が高い,コロイデレミア及び X 連
なることを明らかにしてきた.現在,葛飾医療セ
鎖網膜色素変性の臨床的特徴および遺伝子解析結
ンターと東京慈恵会医科大学附属病院での専門外
果について紹介したい.また,白点状眼底の多数
来で多数の難治性遺伝性網膜疾患の患者さんを診
例の解析で導き出された臨床像の特徴と治療に向
療し,関東圏はもちろん関東外からも多数の患者
けた戦略,その実際について講演したい.
さんが通院している.遺伝子変異を特定する解析
方法も進歩・発展し,一つの遺伝子のエクソン領
域の塩基配列を決定する Sanger 法から現在は,次
1.ステロイド精神病に対する対応について
東京慈恵会医科大学
〇
世代シークエンサを用いた全エクソーム解析が主
流となり,私たちのグループもほとんどの症例で,
現在,全エクソーム解析によって疾患原因・変異
を特定する研究を行っている.疾患原因を特定し
ても治療法に結びつかない現状が長く続いたが,
2008 年,世界で最初に RPE65 遺伝子変異よる先
天黒内障に対して,アデノウィルス随伴ベクター
飾医療センター精神神経科
醍醐龍之介・鈴木 貴子
中村 咲美・石井 洵平
山寺 亘・伊藤 洋
目的:ステロイド精神病に対し,典型的な経過
を辿らない症例を経験したので報告する.
症例:60 歳代男性
主訴:不眠,興奮,多弁,混乱
(AAV)を用いた遺伝子治療が欧米で実施された
現病歴:X 年 3 月 6 日,リウマチ性多発筋痛症
(N Engl J Med, 2008).その後,多数例で AAV を
に対して,プレドニゾロン 40 mg を開始した.そ
用いた臨床研究が実施され,AAV の安全性が確
の後,プレドニゾロン減量中にも関わらず不眠や
認された.RPE65 遺伝子に続き,コロイデレミア
高価な買い物をするなど軽躁状態を認めたため,
の原因遺伝子である CHM や X 連鎖網膜色素変性
同年 5 月 20 日に東京慈恵会医科大学葛飾医療セン
の原因遺伝子である RPGR に対する遺伝子治療の
ター精神神経科受診した.
臨床治験も欧米で実施され,日本でもいよいよ遺
生活歴:同胞 2 名中第 1 子として出生.成長発
電子署名者 : 東京慈恵会医科大学
DN : cn=東京慈恵会医科大学, o, ou, email=libedit@jikei.ac.jp, c=JP
日付 : 2021.10.22 10:05:05 +09'00'
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達に異常なし.最終学歴は大学中退.中退後,生
を介在させることを STAIR RECOMMENDATION
協で事務仕事を行う.現在,妻と二人暮らし.
では推奨されている.そのため我々はイヌの脳梗
既往歴:リウマチ性多発筋痛症,2 型糖尿病
塞モデルを作成し,これに対して同様の実験を行
内服薬:プレドニゾロン 25 mg,ミチグリニド
うことでその有効性を確かめているのでこれも併
カルシウム水和物 10 mg
せて報告する.
経過:初診時,リスペリドン 1 mg 内服するよ
さらに,その効果を担う物質の一つにエクソ
う指示し,外来通院継続予定であったが,拒薬あ
ソームが挙げられる.エクソソームは各種細胞か
り混乱状態となり翌日救急受診した.病識は欠如
ら分泌される直径 40-200 nm ほどの脂質二重膜小
しており,混乱状態であったため同年 5 月 23 日か
胞で,mRNA や miRNA,蛋白質などを含有して
ら 6 月 18 日まで他院精神科に医療保護入院した.
いる.エクソソームによる脳梗塞治療も多く発表
退院後,躁状態は改善し外来通院継続中である.
されているが,その最大耐量は明らかになってい
考察:ステロイド精神病とは,ステロイド内服
ない.今回我々はラット脳梗塞モデルに対する
中またはその後に精神症状をきたす疾患である.
MSC 由来エクソソーム動注療法における最大耐
基本的には,ステロイド内服用量依存性に精神症
量を調べ,その効果を検討した.
状の発生率は高まり,特にプレドニゾロン 40 mg
を超えると発症率が高まると言われている.本症
3.観 血 手 術 を 行 っ た 脛 骨 近 位 端 骨 端 線 離 開
例では,減量中かつプレドニゾロン 25 mg と少量
Watson-Jones 分類Ⅲ型の 1 例
を内服していたにも関わらず躁状態を認め,精神
東京慈恵会医科大学
科病棟への入院加療を必要とした.ステロイド減
薬中も慎重に精神状態の評価が必要である.
なお,
発表にあたって,守秘義務の順守と匿名性の保持
に十分配慮した.
〇
飾医療センター整形外科
宮坂 玄樹・窪田 誠
井上 雄・嶺 崇文
山下 隆之・久津名彩子
原 慧一郎
症例は 15 歳男子,ハードルを跳ぶ際に足がか
2.脳梗塞モデルに対する幹細胞治療∼動物実験
かり転倒して受傷した.単純 X 線および CT にて
脛骨近位骨端線離開 Watson-Jones 分類Ⅲ型と診断
から臨床へ∼
東京慈恵会医科大学
飾医療センター脳神経外科
渡邊 充祥・Khan Aisha
Hare Joshua M.・Perez-Pinzon Miguel
Raval Ami P.・Yavagal Dileep R. ...